
米中間の技術・貿易を巡る対立が続く中、米国の隣国であり同盟国であるメキシコにおける「中国半導体依存」をきっかけに、メキシコ駐在の米国大使館と中国大使館の間で神経戦が展開された。
10月1日付でメキシコ駐在中国大使館のウェブサイトが伝えたところによると、駐メキシコ米国臨時代理大使マーク・ジョンソンは最近行われた半導体関連の地域フォーラムで「米国は半導体など重要技術分野で中国への依存を容認できない」と発言したうえで、「この分野ではメキシコの果たす役割が重要だ」と強調した。
これに対し中国大使館は直後に声明を出し、「この発言は米国が地政学的競争の責任を他国に押し付ける本音を示すものだ」と批判し、「中国は強い不満と断固たる反対を表明する」と強調した。さらに「本質的に露骨な貿易障壁の構築であり、脅迫と嫌がらせだ」と非難した。
声明では「米国はメキシコの発展に関心があるのではなく、メキシコをサプライチェーン問題における地政学的な道具にしようとしている」と指摘。さらに「米国は重要産業で他国が進展するとすぐ『依存』のレッテルを貼り、脅威をちらつかせながら自らの独占的地位を守ろうとしている」と強く批判した。
中国側はまた「米国の妨害は『螳螂拒轍』(カマキリが車輪を止めようとする無謀な行為)に過ぎず、結局は徒労に終わる」とし、「ゼロサム思考を捨て、世界貿易秩序と国家間の正常な協力を尊重すべきだ」と主張した。ジョンソン臨時代理大使に対しても「『容認できない』といった横柄な物言いで他国に干渉するべきではない」と牽制した。
この応酬は、米国が中国だけでなくメキシコを含む各国に高関税を課し、中国との貿易制限を強める状況の中で表面化したものだ。
先にマルセロ・エブラルド経済相は9月10日、中国製の自動車や電子部品に関税を課す方針を示していた。中国はこれに対抗し、9月25日から貿易障壁調査を開始し、メキシコ産ピーカンナッツに対する反ダンピング調査にも着手した。
クラウディア・シェインバウム大統領は9月26日、FTAを締結していない中国などへの最大50%の関税措置が予告される中で「我々は韓国や中国との対話に開かれている」と発言し、貿易摩擦の行方に注目が集まっている。
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