
韓国・済州島(チェジュトウ)、中国との国際航路で契約構造が問題視—4,240万円超の公金投入か
韓国の済州島(チェジュトウ)と中国の青島(チンタオ)を結ぶ国際貨物航路が57年ぶりに開設された。この航路は、済州島に国際物流時代をもたらすとの大きな期待をもって始動したが、実態は予想を裏切るものとなった。運航開始直後から物流量の深刻な不足が続き、結果的に地元住民の公金が損失補填に充てられる事態に発展している。初回の赤字補填額は4億ウォン(約4,240万円)に上ると報じられており、一方的に不利な契約構造が問題視されている。

済州島当局と中国の船会社との協定内容によると、運航の撤回権は中国側の船会社のみが有している。一方、済州島当局は赤字の補填義務を負うものの、航路維持の判断権限を持たない構造となっている。積載容量712TEU(コンテナ換算の容量単位)の貨物船は、初週の物流量が輸入38個、輸出6個にとどまり、その後も極端に減少している。これは実質的に、貨物を積まない「空の船」を往来させ、住民の公金を浪費する構造が固定化していることを意味する。
主な輸入品目はペットチップ、漁網、石材などで、輸出は加工食品や冷凍サバに限定されている。済州島では既存の物流ネットワークが既に機能しており、短期間で新たな物流量を創出することは構造的に困難だと指摘されている。にもかかわらず、済州島当局は「物流量確保」を確約し、その不履行に対する全額損失補填という責任を負う形となっている。

根本的な問題は赤字そのものではなく、契約構造が済州島にとってあまりに一方的である点にある。これが地元住民の強い不満を招く原因となっている。撤回権を中国側が独占し、済州島が一方的に損失を負担する不均衡な条件が明らかになり、「なぜこのような合意に至ったのか」という批判が噴出している。数億ウォンの公金が投入されるにもかかわらず、航路の命運を握る撤回権が中国の船会社にのみあるという構造は、公共的な協定としては極めて不適切だと評価されている。
開設から1ヶ月も経たないこの航路が、済州島の未来の基盤となるのか、あるいは高額な「実験」に終わるのかは、物流量の問題だけでは判断できない。契約自体が済州側に不利な形で設計された以上、実質的に済州ができる対応は損失補填と追加の財政負担に限定されている。地域経済の活性化を目的として開始された航路が、住民に一方的な義務と財政負担を強いる構造に固定化する前に、協定の全面的な見直しが緊急に求められている。

















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