
人工知能(AI)の安全問題が24日の米中首脳会談で議論されると伝えられる中、両国の見解の隔たりが大きく、協議は容易ではないとの分析が出ている。
米国はAIが人間の制御を離れるリスクを懸念する一方、中国はAIが自国の政治体制を脅かす可能性を警戒しているためだ。
17日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「米国と中国はAIに安全策が必要だという点では一致しているが、その考え方は大きく異なる」と題した記事で、「米国はテクノロジーから人類を守ることに重点を置く一方、中国は主に共産党を守ることに関心を置いている」と分析した。
実際、中国の陳一新国家安全相は13日、国営メディアに掲載した文章で、AIが体制にもたらす脅威を強調した。陳一新国家安全相は「AIは政治・安全保障環境に体系的な影響を及ぼし得る」とし、「敵対勢力がデマを大量に作り出し、認知戦を展開し、不安をあおる手段として活用する可能性がある」と述べた。対策として「インターネットとデータに対する党の厳格な管理」を挙げた。
原則表明にとどまる見通し…技術で後れを取る中国、協力の可能性は
一部の米政府当局者は、こうした見解の隔たりが協議を通じて縮まる可能性は低いとみている。バイデン政権出身で米外交問題評議会(CFR)の上級研究員クリス・マクガイア氏は「中国は協力の提案を一貫して拒否してきた」とし、「中国の最優先課題はAIの先頭に立つことだ。AI能力が米国より数カ月遅れている限り、開発速度を落とす可能性は低い」と述べた。
米中首脳は5月に北京で行われた会談でAI対話を再開することで合意したが、まだ目立った進展はみられていない。両国の経済担当トップは20日の高官級会談で、AIに共通するリスクについて議論すると伝えられている。
英エコノミストは、首脳会談でも「核兵器の管理権限は人間が持つべきだとする2024年の合意を再確認し、制御不能となったAIが生物・化学テロやサイバー詐欺に悪用されることを防ぐべきだとの共通の懸念を表明するにとどまる可能性がある」との見方を示した。
上海・復旦大学のAI専門家、張天驕氏は「原則表明以上の進展を期待するのは難しい」とし、「双方がAIの安全に向けた個別措置を講じ、情報共有を増やすことはできるだろうが、共同作業部会のような具体策は難しいだろう」と分析した。
AIへの賛否…各国内でも割れる
協議の障害としては、各国内でもAIの安全を巡って意見が割れている点が挙げられる。各国が一貫した立場を相手国に求めることが容易ではないためだ。
米国ではAnthropicなどがAIの開発速度を調整すべきだと主張する一方、ドナルド・トランプ大統領やNVIDIAなどは覇権争いで先行するための迅速な開発を重視している。中国では序列4位の王滬寧・中国人民政治協商会議全国委員会主席側が米中協議の必要性に共感しているとされる一方、AIのリスクを低く評価する見方もある。
中国の啓明創投(Qiming Venture Partners)のゲイリー・リーシェル氏はWSJに「一部の中国当局者は『グレート・ファイアウォール』によってAIが制御不能に陥るリスクを防げるとみている」と述べた。グレート・ファイアウォールは、中国のインターネット利用者による海外サイトやコンテンツへのアクセスなどを遮断するシステムで、AIによる侵入まで遮断できると過信しているという趣旨だ。
中国国内でAIを所管する部門が多岐にわたることも協議を複雑にしている。WSJは「2023年の米中AI対話当時、中国が技術担当部門ではなく外交部を交渉主体として前面に出したことで、実質的な議論が制限された」と指摘した。中国側の交渉団が事前に定められた立場だけを繰り返すのではなく、さまざまな事項を柔軟に議論できるようにすることも鍵となる。
範囲を絞った協力は可能…対話継続が重要
ただ、包括的な合意ではなくても、範囲を絞った協力は可能だと清華大学の孫成昊教授は分析する。米国の研究所がAIの安全性を評価する技術的方法を中国側と共有したり、両国が新たなAIモデルの安全性評価結果を透明性をもって公開したりする方法だ。
エコノミストは「両国の専門家は、AIの軍事利用を巡る議論には時間がかかるとの見方で一致している。拘束力のあるAI安全協定が順守されているかを独立して検証する方法についても同様だ」とし、「双方が対話を継続することが最善の希望だ」と伝えた。

















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米国は人類を保護?人類→富裕層に訂正しろ。