ほとんどの人が国産だと思っている「国民的な食材」がある。その代表的なものが、韓国料理の象徴であるキムチの主材料である白菜だ。しかし、白菜の原産地は韓国ではなく、中国である。
白菜は中国で誕生し、その後韓国や日本など、他のアジア諸国に広まった。白菜が中国から韓国に伝わった過程については詳細な記録は残っていないが、一般的に中国で栽培が始まり、徐々に韓国へと伝播したと考えられている。
白菜の歴史は約2000年以上前にさかのぼり、最初に中国で栽培されていたのは青梗菜や黄芽白菜という品種で、これらが後に韓国に伝えられてとされている。韓国に白菜が伝わった時期に関する具体的な記録はないが、古代韓国でも白菜に言及された記録が多く、漢代から三国時代（紀元前1世紀～7世紀）頃に伝わった可能性が高い。また、古代韓国では中国との文化交流が活発で、貿易を通じて白菜をはじめとする農作物が韓国に伝わったことが伺える。
特に、白菜が韓国料理で重要な役割を果たし始めたのは、高麗時代と朝鮮時代だった。朝鮮時代には白菜の栽培が盛んになり、多様な品種が生まれ、キムチ作りなど韓国の食文化に欠かせない食材となった。白菜は、韓国料理に欠かせない食材であり、キムチをはじめ、白菜スープ、白菜のチヂミ、白菜のナムル、炒め物、蒸し物など、さまざまな料理に使われる。何より、肉を食べる際には、白菜は必須の食材だ。
白菜は非常に健康的な食材であるため、日常的に摂取するのに最適な野菜だ。まず最も大きな効果は消化の改善である。白菜には食物繊維が豊富に含まれており、消化を助け、腸の健康を改善するのに有益だ。食物繊維は便秘予防に効果的であり、腸の健康を維持するのに役立つ。加えて、ビタミンCやβカロテンなどの抗酸化成分も多く含まれており、体内の活性酸素を除去し免疫力の強化に寄与する。また、ビタミンEやCは肌の健康にも良い影響を与え、肌の老化防止やトーンアップに役立つ。
今年の旧正月を前に、韓国では白菜などの農産物価格が急騰している。キムチ作りを行うための白菜や、大根の価格は昨年の1.5倍から2倍に達し、消費者への影響も無視できない状況だ。最近の韓国農水産食品流通公社（aT）の発表によると、白菜の平均価格は先月3日時点で1個5,027ウォン（約540円）となり、前年や平年と比べてそれぞれ58.9%、33.9%上昇している。平年価格は過去3年間の平均価格を基に算出されている。
白菜の価格上昇の原因としては、気候変動の影響が大きい。昨年の夏の猛暑に加え、秋にかけての異常高温が農作物の生育に影響を与え、また昨年のキムチ作りシーズンで白菜の早期出荷が行われたことも、最近の価格上昇に寄与しているとされている。政府は白菜の価格安定を目指して、可能な限り市場に供給する方針を検討しており、価格がさらに悪化した場合には輸入も視野に入れていることが伝えられている。
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