メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

巨大地震から28年、神戸はどう変わったのか?阪神・淡路大震災が残した「復興格差」の深い傷跡を追う

荒巻俊 アクセス  

日本の神戸市東部に位置する高層マンションの街並み。前方には広大な海が広がり、後方には山々がそびえ立つ、まさに天恵の地に築かれた。神戸のニュータウンである「HAT(ハッピーアクティブタウン)神戸」は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の翌年から再開発が始まった「復興の象徴」だ。120ha(1.2㎢)の埋立地には、住宅、大型商業施設、映画館、美術館、公園などが整備された。

写真:大貫智子特派員
写真:大貫智子特派員

電線は地中に埋設され耐震性を高め、災害時の避難場所として利用できる広場も各所に設けられた。美しい街並みと交通の利便性から、近年では子どもを持つ世帯の流入が増加している。神戸市の統計によると、HAT神戸が位置する中央区の人口は、1995年の10万人から2023年には15万人に増加。超高齢社会の日本では珍しく、2021年には新たな小学校が開校した。

写真:大貫智子特派員
写真:大貫智子特派員

阪神・淡路大震災は、戦後初めて日本の大都市を襲った大地震だった。国内観測史上最大の震度7を記録し、高速道路や都市の高架道路が崩壊。6,434人が犠牲となった。死者の8~9割は、倒壊した住宅の中で命を落とし、崩壊した建物の多くが、老朽化した木造住宅だった。日本政府は、2000年に建築基準法を改正し、建物の耐震基準を大幅に強化した。防災計画の専門家である神戸大学名誉教授の室崎益輝氏は「阪神・淡路大震災は、すべての建物に耐震設計が必要であるという教訓を日本国民に与えた災害だった」と語った。

写真:大貫智子特派員
写真:大貫智子特派員

一方、神戸市南西部のコリアタウンが位置する長田区の「新長田駅」周辺の商店街は、夕方になっても人通りが少なかった。震災体験を後世に伝える活動を行う80代の活動家A氏は「同じ市内でも復興作業には差がある」と話す。

大阪のコリアタウンに匹敵するほど在日韓国人が多いこの地域は、木造住宅や商店が密集し、震災時に大規模な火災被害を受けた。その後、市主導で再開発が進められ、10棟以上の複合ビルが建設されたが、管理費の上昇などにより空室が増加。昨年10月の完成以来、赤字額は326億円に達している。

写真:大貫智子特派員
写真:大貫智子特派員

室崎教授は「住民の意見を反映しない行政主導の一方的な復興事業の結果だ」と分析する。住民の希望に沿った形での都市再建が必要だと訴え「インフラの復旧だけでなく、地域住民1人ひとりが幸せを実感できる都市設計こそが本質」と強調した。

愛する人を失った人々の心のケアも、阪神・淡路大震災後の課題だった。HAT地域に設置された「人と防災未来センター」には、神戸大学の学生が1998年から10年以上にわたり行った遺族363人へのインタビュー記録が保管されている。

「『おじいちゃん、痛いよ』という孫の声が聞こえた。私が殺してしまったという思いを振り払えない」当時6歳だった孫の桜子ちゃんを亡くした祖父、加賀幸夫さんは、孫を救えなかったことを自責しつつも「孫に誇れる街の再建のために生涯を捧げる」と語った。

室崎教授も、自責の念を抱く1人だ。震災前に神戸市の防災計画を策定した彼は、震度7の地震が起こり得ることを知りながら、市の要請で「震度5」に災害予測を修正した。「結果的に多くの人々を傷つけてしまった。記録を残し、安全な社会づくりに貢献することが、私の責任であり、償いだ」と語った。

1995年は「ボランティア元年」とも呼ばれる。当時、多くの若者が大阪から神戸まで徒歩で駆けつけ、年間で137万人が神戸でボランティア活動に参加した。その年、災害対策基本法が改正され、地方自治体などがボランティア活動を支援できるようになった。

写真:大貫智子特派員
写真:大貫智子特派員

昨年1月に発生した能登半島地震では、倒壊した建物による圧死者数が阪神・淡路大震災の3分の1程度だったという。過去30年間で構築された、災害に備えた社会システムとボランティアネットワークの成果と評価されている。

今年も阪神・淡路大震災が発生した1月17日午前5時46分、神戸市で追悼式が行われる。今年の式典では、灯籠で「寄り添う」という文字が描かれる予定だ。いまだ震災のトラウマに苦しむ人々や、東日本大震災、能登半島地震の被災者に寄り添うという思いが込められている。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[トレンド] ランキング

  • “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か
  • 「110年前の悲劇が蘇る」...タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!
  • 「どこからどう見ても男」...性転換選手が“性別確認拒否”で成績が無効、過去2年分も取り消しに!
  • 「最強のはずが…」テスラ『サイバートラック』、わずか2年で10度目のリコール
  • 「命を懸けて痩せろ!」“50キロ減でポルシェ”ダイエット企画に批判殺到
  • 「注文と違うじゃないか!」ベジタリアンメニューに“肉混入”で客激怒、店主と射殺

こんな記事も読まれています

  • ランボルギーニ「マニフェスト」が描く“美学の挑戦”…電動化の時代に響くデザイン哲学の鼓動
  • 【オーナー専用】ランボルギーニ「THE LOUNGE TOKYO」公開…六本木裏通りに潜む“秘密の聖域”
  • 【新型】スバルBRZ 2026年型登場 …「ピュアスポーツの原点」を現代に蘇らせる
  • 「アウディ×バイエルン」23年の絆が走り出す…RS e-tron GTが導く“電動の未来と情熱の共鳴”
  • 「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」…自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!
  • “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か
  • 「110年前の悲劇が蘇る」…タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!
  • 「北朝鮮は絶対崩れないのか?」極秘情報と脱北者証言からわかる“クーデター不可能”の現実

こんな記事も読まれています

  • ランボルギーニ「マニフェスト」が描く“美学の挑戦”…電動化の時代に響くデザイン哲学の鼓動
  • 【オーナー専用】ランボルギーニ「THE LOUNGE TOKYO」公開…六本木裏通りに潜む“秘密の聖域”
  • 【新型】スバルBRZ 2026年型登場 …「ピュアスポーツの原点」を現代に蘇らせる
  • 「アウディ×バイエルン」23年の絆が走り出す…RS e-tron GTが導く“電動の未来と情熱の共鳴”
  • 「テスラ、完全自動運転の野望崩壊」…自動運転ゼロの“サイバーキャブ”、価格戦略と安全規制の狭間で揺れる!
  • “偽軍人”に化けた配達員、女性医師に暴行!SNSで巧妙に接近か
  • 「110年前の悲劇が蘇る」…タイタニック一等席の名簿がオークションに登場!
  • 「北朝鮮は絶対崩れないのか?」極秘情報と脱北者証言からわかる“クーデター不可能”の現実

おすすめニュース

  • 1
    「幼少期の腸内細菌が将来の不安とうつを左右する!」UCLA研究が明らかにした、腸と脳の驚きの関連性

    ヒント 

  • 2
    「合意内容と違う!」トランプ政権の“成果誇張外交”に日本・韓国困惑...経済同盟に深まる“信頼の亀裂”

    ニュース 

  • 3
    「米中露、核実験競争再燃か」...習近平、“新疆ロプノール核実験場”を再建!

    ニュース 

  • 4
    「史上最悪デザイン」からの反乱!iPhone17、注文殺到でクックCEOも絶句

    ニュース 

  • 5
    「制裁なんて関係ない」イラン、中国からミサイル燃料2,000トン密輸か…“再武装”加速に世界震撼

    ニュース 

話題

  • 1
    「メール一通でクビ!」米企業で“AIリストラ”始まる

    ニュース 

  • 2
    「ドンバスを血で染めろ」プーチン、20か月止まった戦線に“総攻撃命令”

    ニュース 

  • 3
    「内容が違いすぎる!」米商務長官の“暴走発表”に韓国政府が見せた意外な対応とは?

    ニュース 

  • 4
    「うちの子のちょっと変わった癖」犬の幼稚園で“友達をなでて歩く”ルビーが話題に

    フォトニュース 

  • 5
    「白人しか受け入れない!」トランプ氏、難民枠を94%削減…民主党「狂気の決定だ」

    ニュース