核燃料装填後、事前点検手順を実施

東京電力は10日、新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所6号機の核燃料装填作業に着手した。
NHKと日本経済新聞(日経)などによると、原子力規制委員会はこの日、同原発の核燃料装填を承認したという。
東京電力は同日午後1時頃から、燃料プールに保管されていた872体の未使用核燃料を1体ずつ原子炉に装填する作業を開始した。
この作業は約2週間かかる見込みだ。
今回の装填は再稼働に向けた必須手続きの一つで、燃料装填後には原子炉の緊急停止装置や冷却システムなどの性能検査が行われる。
手続きが順調に進めば、早ければ8月中に設備準備が最終段階に入る見通しだ。
東京電力はその後、6号機と7号機のどちらを先に再稼働させるか再検討する方針だ。
当初は7号機の再稼働が優先されていたが、規制上設置が義務付けられているテロ対策施設の工事遅延により、稼働までにさらに最低3〜4年かかる可能性が指摘されている。
地域社会の同意が原発再稼働の鍵を握る中、新潟県の花角英世知事は住民の意見を聴取した上で再稼働の是非を判断する計画だ。
武藤容治経済産業大臣はこの日の閣議後の記者会見で「今回の作業は設備と機器の健全性を確認する手続きの一環であり、東京電力は原子力規制委員会の指導の下、安全を最優先に高い緊張感を保っている」と述べた。
柏崎刈羽原発6・7号機は2017年12月に再稼働のための原子力安全審査を通過したが、2021年以降に侵入検知装置の不備や入構証の不正使用などセキュリティ上の問題が露呈し、運転が禁止されていた。
その後、関連対策が講じられたと判断した原子力規制委員会は昨年12月、同原発に対する運転禁止命令を解除した。