
世界中を魅了している中国発のキャラクター「LABUBU(ラブブ)」の人気が止まらない。中国・北京に本社を置くアートトイブランド「POP MART(ポップマート)」の看板キャラクターであるラブブは、BLACKPINKのリサやリアーナなどのグローバルスターたちの愛用品として紹介され、知名度が急上昇した。今では、プレミアム価格を払ってでもラブブを手に入れようとする人が増加している。
こうした中、10日に中国の名門オークション会社「永楽拍売」が開催した春季オークションで、高さ131㎝のラブブ・フィギュアが108万元(約2,161万3,025円)で落札されたと中国の毎日経済新聞が報じた。落札者は永楽のオークション規定に従い、落札価格の15%を手数料として追加で支払う必要がある。結果として、ミント色のラブブを落札した購入者は手数料を含め、合計124万2,000元(約2,485万4,978円)を支払った。
今回出品されたミント色のラブブは、世界に1点しかない限定カラー版で、コレクターの間で大きな注目を集めた。このオークションはラブブの初期シリーズを所有する著名なコレクターとのコラボレーションで実施された。ミント色の他にも、わずか15体しか製造されていない限定版の茶色ラブブも出品され、82万元(約1,641万408円)で落札された。このように人気の知的財産(IP)が希少性と結びつくことで、ラブブは単なるおもちゃを超え、芸術品としての価値が認められつつある。
香港出身でオランダ在住のアートトイ作家、龍家昇氏(53)がデザインしたラブブは、ウサギのように長い耳を持つ北欧の妖精がモチーフとなっている。
ラブブの人気は中国よりも海外で高まっている。イタリア・ミラノのポップマート店舗では、目当ての商品を手に入れるために午前3時から行列ができる光景が見られた。ラブブがアートトイ市場で最高峰のブランドとして台頭し、定価で商品を入手することは「至難の業」となっている。
この熱狂に便乗して「偽ラブブ」の販売も急増している。11日付のある新聞によると、中国浙江省義烏市で開かれた小商品の卸売市場では、本物とほぼ見分けがつかない偽ラブブが大量に流通しているという。業者たちは一度に1,000個から多いときは5,000個まで注文を入れているが、工場の生産能力を超える需要により、配送待ち期間が15日以上に及ぶほどの状況だという。
ラブブの人気に便乗した類似キャラクターも多数登場している。「LAGOGO(ラゴゴ)」や「LABABA(ラババ)」といった名前の製品が市場に出回っており、中でも犬型ロボットであるラゴゴはラブブに似た外見に加え、尻尾を振る機能や発光機能まで備えて人気を集めている。
専門家たちは「(偽物や類似品を)購入しなければ著作権侵害も起こらない」とし、「模倣品が正規品の市場シェアを奪い、ブランドの信頼を損なう」と指摘した。正規品の消費文化を定着させるには、消費者の著作権意識の向上と模倣品購入の自粛が不可欠だと口を揃えている。

ラブブの爆発的な人気を追い風に、ポップマートの株価も連日高騰を続けている。11日、香港証券取引所でのポップマートの終値は268.2香港ドル(約4,916円)を記録した。時価総額は約3,601億7,700万香港ドル、日本円にして約6兆5,999億円に達しており、韓国の現代自動車(約4兆3,377億円)を約50%上回っている。