
月の前を横切る黒い物体は国際宇宙ステーション(ISS)だ。地球軌道を周回するこの宇宙ステーションの写真は、2019年に部分的に照らされた巨大な月を背景に撮影された。この画像はアメリカ・カリフォルニア州パロアルトで撮影され、露出時間はわずか1秒だったという。一方、ISSが月全体を通過するのにかかった時間は約0.5秒だった。この鮮明なISSのシルエットをじっくり観察すると、数多くの太陽電池パネルや、ステーションを支えるトラス構造の輪郭が見てとれる。画面の左下には、荒れた地形が特徴のティコ・クレーターが見え、その周囲には高地にあたる明るい地形や、なめらかで黒っぽいマリア(海)と呼ばれる地域も見てとれる。