アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが6月26日から28日にかけて、イタリア・ベネチアで超豪華な結婚式を挙げる予定だ。注目されているのは結婚式そのものだけでなく、彼が婚前契約を結んだのかどうかという点だ。法曹界では、資産保全の観点からベゾスの一挙手一投足に関心が集まっている。
『ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）』によると、純資産が1億ドル（約144億4,555万円）を超える超富裕層にとって、婚前契約はもはや「常識」。税負担や企業経営権の変動といった予期せぬ事態を防ぐため、極めて緻密な契約書を用意するのが一般的となっているという。ニューヨークの有名弁護士ロバート・コーエンも「本質は、相手に自分の財産へ実質的な影響を与えさせないことだ」と語る。
実際、ベゾスは2019年にマッケンジー・スコットと離婚した際、婚前契約を結んでいなかったため、彼女にアマゾン株の4％、当時の評価額で350億ドル（約5兆547億円）を譲渡する結果となった。このケースは、世界中の富豪たちにとって「教訓」として語り継がれている。
婚前契約に含まれる資産は多岐にわたる。未上場企業の株式、知的財産からのロイヤリティ、家族信託、さらにはプライベートジェットの使用権や競走馬の管理、離婚時のSNS発言制限まで盛り込まれることもある。また「週4回の運動を義務付ける」「浮気をしたら100万ドル（約1億4,442万円）支払い」など、驚きの行動規定が記載される例も報告されている。
近年人気を集めているのが「累進型契約」と呼ばれるタイプだ。例えば、結婚から5年で離婚すれば500万ドル（約7億2,283万円）、10年なら2000万ドル（約28億9,131万円）を支払うというように、年数に応じて慰謝料が増えていく仕組みだ。ベゾスが再び巨額の資産譲渡を避けるため、どのような条項を盛り込んでいるのか。その内容は明かされていないが、世界中の注目が集まっていることだけは間違いない。
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