極端な猛暑が続く中、日本で熱中症により室内で亡くなったケースの大半が「独居高齢者」だという中間研究結果が発表された。独居高齢者はエアコンなどの冷房機器の使用に不慣れで、エアコンの電池が切れたり「暖房」モードで使用して熱中症で亡くなるケースが発生している。

27日、毎日新聞などによると、東京大学大学院医学系研究科の橋本英樹教授は先月20日、過去10年間(2013~2023年)に東京で熱中症により亡くなった1,447件を分析した中間研究結果を発表したという。
熱中症による死亡例のうち、室内で発生した事故は1,295件(サウナ、勤務中、不明例を除く)で、このうちエアコンがあったにもかかわらず適切に使用できずに亡くなった事故は16.4%(213件)に上った。
研究チームが指摘した「不適切なエアコン使用による死亡例」には、リモコンの電池切れで使用できなかったり、エアコンを誤って「暖房」モードに設定したり、「送風」モードで作動していたり、送風口に埃が詰まって風が出なかったり、エアコンが故障して熱風が出ていたりするケースがあった。
このようにエアコンを適切に使用できずに亡くなったケースの大半は60代以上の高齢者だった。研究チームは「こうしたケースの80%は独居世帯や高齢者世帯で、低所得層が大半だった」とし、「何らかの理由でエアコンを適切に使用するのが難しかったと推測される」と指摘した。
具体的には、室内熱中症による死亡例1,295件のうち、60代以上の独居世帯は60.1%(778人)を占めていた。60代以上の死亡者は1,161人と圧倒的に多かった。熱中症による死亡例のうち、エアコンがあったにもかかわらず電源が切れていた場合は44.9%(581件)だった。エアコンがなかったケースは29.4%で381件、エアコンが故障していたケースは10.0%で129件、エアコンの電源が入っていたケースは6.5%で84件だった。
特にエアコンの電源が入った状態で亡くなったケースでは、設定温度が高かったり、誤って暖房に設定されていたり、送風モードになっていたりするなど、エアコンの使用に不慣れなケースがほとんどだったという。これらのケースで亡くなった人々の大半(79.8%)が独居世帯または高齢者世帯だった。
研究チームは「知人や親戚に独居高齢者がいる場合は、エアコンが適切に作動しているか、リモコンを正しく使用できるか確認してほしい」と呼びかけ、「猛暑が予想される今夏、地域社会や近隣住民の気遣いが熱中症による死亡者を減らすのに役立つことを願っている」と述べた。
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