
フランス北東部、ヴォージュ山脈地方にある農場で、農民たちが不法占拠者を追い出そうと液体肥料(スラリー)を撒いている映像が公開され、注目を集めている。
映像には、数十台の白いキャラバン(キャンピングカー)や車両が停められた草地を、トラクターが走り回りながら、豚の糞尿を含む混合液を撒いている様子が映っている。地元メディアによると、農民たちは警察の協力を得られなかったため、自らスラリーを撒くことで、不法占拠者が居続けられないようにしたと話している。
こうした不法占拠者は、ヨーロッパ各地に点在している少数グループで、キャラバンを使って一定の地域内を移動しながら暮らしていることが多い。しかし、私有地を無断で占拠したり、ゴミを放置したり、大きな音を出したりするなど、周辺住民に迷惑をかけているケースも少なくない。
さらに、ヨーロッパの法制度上、不法占拠者であっても一定期間居住していると、人道的な配慮などにより、すぐに強制退去させることが難しくなる仕組みがある。このため、多くの農民や住民は数か月から数年にわたり、不法占拠の問題に悩まされている。
注目の記事