32.9 C
Tokyo
2025年08月08日金曜日
ホームトレンド「祖父の革命精神はどこへ消えた!」フィデル・カストロの孫、経済危機を嘲笑する“セレブ動画”で大炎上

「祖父の革命精神はどこへ消えた!」フィデル・カストロの孫、経済危機を嘲笑する“セレブ動画”で大炎上

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

キューバの共産革命指導者フィデル・カストロ氏(1926〜2016)の孫が、母国の経済危機を嘲笑するかのようなSNS投稿を行い、物議を醸している。現地では「祖父の遺産を冒涜している」との批判と共に、特権層の共感欠如を指摘する声も広がっている。

7日(現地時間)、『AFP通信』などによると、フィデル・カストロ氏の孫であるサンドロ・カストロ氏(33)は、自身のインスタグラムやTikTokに、食糧難、医薬品不足、長時間の停電といったキューバの現状を揶揄するような動画を次々と投稿した。

最近の投稿では、米国ブランド「ナイキ」のスニーカーを履いたサンドロ氏が、誰かに押されて移動する荷車に寝そべりながら、ビールらしき飲み物を市民に渡したり、口に注いだりする様子が投稿された。また、葉巻を吸う姿や高級車、小型飛行機に乗る様子も公開されており、「1日12時間の停電を望む女性」などと冗談を飛ばして停電問題を揶揄するシーンも見られた。別の映像では「今朝の一番好きなメニューはビールと鶏肉だったが、鶏肉がないね」と、食糧不足問題を皮肉った発言もあった。

サンドロ氏は、首都ハバナの富裕層が多く住むベダード地区で「EFEバー」を経営している。スペインの日刊紙『エル・パイス』は、サンドロ氏を「芸能人のように振る舞うセレブ」と評している。コロナ禍の最中にパーティーを開き、ビール風呂を楽しむ様子をSNSに投稿し、批判を浴びた過去もある。

フォロワー数は約13万人と、キューバ国内のインフルエンサーとしては中堅レベルにとどまるが、サンドロ氏の家系や発信内容の影響力から、現地で大きな注目を集めている。

現地の反応は分かれている。一部では「現実に対する一種の風刺」と受け止める向きもあるが、大多数は「生存をかけて苦闘する国民の前で贅沢な生活を見せつけるのは、別の形の侮辱だ」と批判している。中には「フィデル・カストロ氏の遺産を否定している」との指摘も出ている。

キューバの作家で歴史家のエルネスト・リミア氏は、SNS上で「サンドロ氏は特別な姓を持っているが、フィデル氏への愛情も敬意もない。米国旗を背景に写真を撮る姿を見ても、彼はキューバの敵というよりただの愚か者だ」と強く非難した。

エル・パイス紙はまた、「サンドロ氏は山刀の代わりにスマートフォンを手にした新世代の象徴であり、長年インターネットの利用が制限されてきたキューバ国民とは異なる世界で生きてきた」とし、サンドロ氏を「次期大統領」と呼ぶ一部フォロワーの存在についても「トロイの木馬のように見なされている」と伝えている。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

モバイルバージョンを終了