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2025年08月13日水曜日
ホームトレンド「高くても手に入れたい!」世界の若者による“ラブブ人形”争奪戦が過熱、「心理的不安」が生んだ社会現象か

「高くても手に入れたい!」世界の若者による“ラブブ人形”争奪戦が過熱、「心理的不安」が生んだ社会現象か

Z世代の「ラブブ」ブーム、心理的な不安の表れか

最近、中国の玩具メーカーPOP MARTが展開するキャラクター人形「ラブブ(LABUBU)」がZ世代の間で爆発的な人気を集めているが、専門家によると、これは単なるブームではなく若者の心理的不安や葛藤を反映した現象でもあるという。

この現象は世界中に広がっており、心理学的観点からも注目を浴びている。

引用:POP MART JAPAN
引用:POP MART JAPAN

デイリー・メールなどの英メディアは現地時間15日、香港出身オランダ育ちのアートトイ作家カシン・ローン( Kasing Lung)氏がデザインしたラブブについて報道した。ラブブは、ウサギを連想させる長い耳と大きな目、尖った鋭い歯と大きな口が特徴的なキャラクターだ。

北欧民話に登場するエルフをモチーフにしたこの人形は、中国を超えてアジア、北米、欧州、中東など世界中で人気が拡大している。

米ロサンゼルスや東京では、ラブブを購入するために購入希望者が午前3時から行列を作り、インドネシアのバリ島にある新店舗では、ファンが押し寄せて衝突する騒動にまで発展した。

さらに、BLACKPINKのリサやリアーナ、デュア・リパなど数々の著名人たちがラブブを所有している姿がSNSで公開され、人気に一層拍車がかかった。

中国・北京で先月開催された国際オークションでは、希少なラブブがなんと15万ドル(約2,231万8,566円)という高額で落札された。

臨床心理士が見るラブブブームの裏側

この世界的なラブブブームについて、メンタルヘルスの専門家たちは懸念を交えた分析を示している。

臨床心理学者のトレイシー・キング氏は、この現象を「バーンアウト症状と断絶への反応」と表現している。キング氏によれば、ラブブブームは単なる流行ではなく、予測不可能な環境で成長したZ世代の心理的反応だという。

キング氏は、Z世代がそれ以前の世代ほど経済的安定を享受できていないため、多くの若者が制御不能な状態に陥っていると主張している。

一方で、ラブブのようなコレクションアイテムは自分でコントロールできる領域に属するため、所有欲を満たすという分析だ。

引用:X
引用:X

特にキング氏は「Z世代は、パンデミックや景気後退、気候危機などの世界的危機が迫るのを目の当たりにしてきたため、以前の世代が持っていたような人生の大きな目標を達成できないのではと感じる場合が多い」と説明。

以前の世代が住宅ローンや年金のために貯蓄していたのに対し、Z世代は「今この瞬間」に投資する傾向があるという。キング氏は、Z世代の玩具収集が「未成熟さ」の表れではなく「感情を癒すための形態の一種」であると強調した。

心理学者のダニエル・グレイザー博士もまた、ラブブ収集ブームに特定世代の特徴が表れていると分析している。

グレイザー博士は、Z世代が経済的不安定とパンデミックに覆われた時期に成人になったため、このような予測不可能な世界で、小さな消費を通じて即時的な満足感を得ようとする心理が働いていると説明した。

同時に、実験心理学者のエマ・パルマー・クーパー博士は、収集が強迫観念となり過度な支出につながる場合は有害だと警告。

クーパー博士は、収集行為が心理的欲求を満たすことができる一方で、深刻な感情的問題から目を逸らす行為になる可能性があると指摘した。

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