
中国サッカーの顔とまで呼ばれた男が、まさかの行動で批判の渦中に立たされた。中国スーパーリーグを代表するストライカー、ウーレイ(上海海港)。中国リーグ通算200得点以上、代表でもAマッチ99試合36ゴールを誇り、衰退する中国サッカーの「最後の自尊心」とまで言われた存在だ。
しかし、そのレジェンドが見せたのは最低限の品格さえ欠いた姿だった。先週末に行われた上海ダービー。敵地・上海申花のホームスタジアムは8万人で埋まり、海港が2-1で勝利を収めた。だが試合後、松葉杖をついたウーレイが申花サポーターの前に歩み寄り、笑みを浮かべながらスマートフォンで写真や動画を撮ろうとした。ベテランの挑発に、スタンドは罵声の嵐。若手選手が必死に間に入り、大事には至らなかったが、中国メディア『シナスポーツ』は「中国得点王の二面性」と皮肉った。

ウーレイは2008年のデビュー以来、プロキャリア560試合に出場。スペインのエスパニョールでプレーした数少ない中国人選手としても知られる。だが今年1月に膝を手術し、今季はわずか6試合の途中出場でノーゴール。かつての決定力は影を潜めている。
「怪我を抱えてピッチに立つより、若手を育てることに尽力すべき」――中国メディア『ソーフー』はそう論じ、「執着を手放すことが品格ある退場になる」と退陣を勧めた。ネット上でも「名誉を守るために潔く引け」との意見が相次いでいる。
衰退する中国サッカーにおいて唯一の誇りとされた男。その名が「伝説」として残るか、それとも「晩節を汚したスター」として語られるか。ウーレイの決断が注目されている。

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