
中国で売上が減少したある食堂が、鶏の羽をむしる音をASMR(心理的安定を誘導する音)としてライブ配信し、月間売上を伸ばして人気を集めているという。
19日(現地時間)香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)によると、中国西部四川省楽山市で食堂を営む30代女性のワン・ユーシェン氏は、鶏の尻から羽根を抜く配信を行っている。
この食堂は鶏もも肉、ウサギ肉、アヒルの舌など地域特産の食べ物を専門に販売している。ワン氏の配信は1万2,000人の視聴者が殺到するほど大きな話題を集めていると知られている。
これに先立ってワン氏は年初めから食堂の売上が減り始めると、売上を上げられる他の方法がないか悩み始めた。悩んだ末に、彼女は鶏肉に残っている羽根を除去する自分の姿を収めた映像をソーシャルメディア(SNS)に投稿することにした。
その後、3月に鶏の尻から羽根を抜く映像を投稿したところ、500万回以上の再生回数を記録し、これをきっかけにライブ配信を始めることになった。
さらに、彼女はピンセットで白い羽毛を抜く音を増幅させるオーディオ機器を使用して、映像を見るネットユーザーが楽しめるASMR(心理的安定を誘導する音)映像を作り始めた。

SCMPは「ワン氏のライブ配信は一度に1万人以上の視聴者を引き寄せる。大部分が深夜に視聴し、平均再生時間も38分程度になることが把握された」と報じた。
映像が人気を集めると食堂の売上も一緒に上がった。ワン氏は「ライブ配信を始めてから月売上が20万元(約400万円)を突破した」と述べ、「需要に応えるため母親の助けを受けている。毎日15kg以上の鶏肉を処理している」と明かした。
映像を視聴した現地のネットユーザーからは「羽根を抜く音があまりにも中毒的だ」「映像を見ていてスルスルと眠りについた。不眠症がかなり良くなった」「ただ好奇心で見ていて鶏胸肉を注文したけど本当においしかった」など、熱い反応が寄せられている。
一部では鶏肉の特殊部位の衛生などについて懸念を提起したが、ワン氏は料理する前にすべてを徹底的に洗って調理すると強調した。
鶏のもも、尻などの特殊部位は中国南部で人気のある珍味として知られている。お酒と一緒に楽しむことができ、一般的に調味料に漬けた後、唐辛子、ゴマなどと一緒に揚げたり焼いたりして食べる。
注目の記事