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2025年08月21日木曜日
ホームトレンド水星が小さくなっているって本当?太陽のそばで45億年前から続く“縮小”…いったいどれほど小さくなったのか

水星が小さくなっているって本当?太陽のそばで45億年前から続く“縮小”…いったいどれほど小さくなったのか

アメリカ・ジョージア大学の研究チーム「水星の半径が誕生以来2.7〜5.6km減少」と発表

太陽系の惑星のうち最も内側を回る水星は、約45億年前の形成以来、冷却を続け、その結果サイズが縮小してきたとされる。

では、水星は45億年の間にどれほど小さくなったのだろうか。

この疑問に答える研究結果が発表されたと、宇宙科学メディア「Space.com」が最近報じた。研究成果をまとめた論文は、国際学術誌『AGU Advances』に掲載された。

引用:NASA
引用:NASA

水星は継続的な収縮によって岩石表面に圧力がかかり、「衝上断層」が形成される。研究者たちはこれまで、こうした断層によってどのように地表が隆起したかを観察し、水星の収縮量を推定してきた。

しかし従来の方法では、水星の半径が約1〜7km縮小したと推定されるものの、ばらつきが大きすぎるという課題があった。従来の推定は、断層の長さと垂直高度の差をもとに計算されていたが、この方法はデータセットに含まれる断層数に結果が左右されるという弱点があった。

今回、ジョージア大学地質学科のステファン・R・ラブリス氏とクリスチャン・クリムチャク氏は、新しいアプローチを用いた。研究チームは、データセット内の最大断層が吸収する収縮量を測定し、それを拡大して全体の収縮量を推定する方法を採用した。

この手法を用いて5934の断層、653の断層、100の断層を含む3種類のデータセットを分析したところ、水星が2〜3.5km収縮したという一貫した結果が得られた。さらに、断層形成以外の冷却過程による追加収縮の既存推定値と組み合わせた結果、水星は形成以来、半径が合計2.7〜5.6km減少した可能性があると結論づけた。

研究チームは、この成果が水星の長期的な熱史理解に貢献するとともに、断層が存在する火星など他の惑星の地殻活動調査にも応用できると指摘している。

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