
笑気ガスを吸引した後に死亡した女性が発見された事件について、最近解剖結果が明らかになったと英紙「ザ・サン」が報じた。
報道によると、昨年イングランドのバーンリーに住んでいた21歳の女性キラ・ブースさんが、笑気ガス(亜酸化窒素)を吸引した直後に自宅で死亡しているのが発見された。死亡時、彼女は胸部感染症(肺炎や気管支炎など)の症状があった。法医学的調査により、薬物使用の痕跡も明らかになった。
キラさんは2024年11月、SNSの活動が24時間以上途絶えたことを不審に思った支援福祉士の訪問によって遺体で発見された。現場調査では、ベッドとソファの近くに笑気ガスのカプセル2個が見つかった。廃棄直前の状態で保管されていた18個のカプセルも追加で確認された。警察はさらに、コカインの残留痕跡がある可能性のある小型バッグ2個を押収した。
解剖の結果、外傷は見つからなかった。死因と直接関連する損傷もなかった。ただし、毒物学検査でコカイン摂取の痕跡が検出された。笑気ガスは死後体内で急速に消失するため検出されなかった。担当検視官は、キラが死亡時に胸部感染症(Chest Infection)を患っており、これが致命的な呼吸器合併症を悪化させた可能性が高いと判断した。
乱用され興奮剤・幻覚剤と化した「笑気ガス」の流行
笑気ガスは医療用麻酔補助剤として使用される無色の気体だ。鎮痛および麻酔効果があり、歯科治療や手術で広く使用されてきた。急速に笑いを引き起こす特性から「ハッピーガス(Happy Gas)」とも呼ばれる。しかし最近では10代や20代の若者の間で、一種の気分転換剤やパーティー用幻覚物質として乱用される事例が増加している。
酸素欠乏、めまい…神経系・心血管系への障害
笑気ガスを吸引すると即時的な陶酔感と笑いが引き起こされるが、その後には酸素欠乏、めまい、意識低下、心拍数異常、呼吸抑制などの症状が現れる。酸素の代わりに肺と脳に入る特性があるため、大量または繰り返し吸引すると低酸素症による脳障害や心停止を引き起こす可能性がある。イギリスの国民保健サービス(NHS)は、笑気ガスは一度や二度の吸引でも脳への酸素供給が不十分となり、脳卒中や死亡につながる可能性があると警告している。
一方、韓国でも笑気ガスは「医療用および食品添加物」として認可されており、医療用・産業用・食品用(生クリーム製造用)などで合法的に流通している。しかし、非医療目的で使用した場合、「化学物質管理法」違反または麻薬類に準じた処罰を受ける可能性がある。専門家は「基礎疾患や感染症がある状態で吸引すると致命的な危険に直面する可能性がある」と警告している。
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