

38歳のベテラン右腕、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が圧巻の投球を見せた。7種類の球種を駆使し、うち6種類は使用率が10%を超えるという驚異の内容。米国メディアは「こんな投球ができるのはメジャーでダルビッシュだけ」と舌を巻いた。
23日(日本時間)、本拠地ペトコ・パークで行われたドジャース戦に先発したダルビッシュは、6回1安打1四球5奪三振1失点。わずか74球でマウンドを降りると、盤石のリリーフ陣が試合を締め、サンディエゴは2-1で宿敵を下した。
6イニングで許した安打はフリーランドのソロ弾のみ。スイーパーの失投を痛打されたが、その後は9者連続凡退に仕留め、ほぼ完璧に近い投球を披露した。外野に飛んだ打球はわずか4本にすぎなかった。

この日投じたのは計74球。その内訳はカッター18球、シンカー11球、スライダーとスプリッターが10球ずつ、カーブとフォーシームが9球ずつ、スイーパー7球。最も少なかったスイーパーでさえ全体の9%を占めるほど、極端に偏りのない配球だった。
サンディエゴ中継のマイク・ポメランツ解説者は「ダルビッシュほど多彩な球種を自在に操れる投手はいない。打者は次に何が来るのか予測できない。ストライクゾーンにこれだけ質の高いボールを投げ込まれれば悪夢だ」と絶賛した。
試合後、ダルビッシュも手応えを口にした。「今日は結果も内容も良かった。前回は速球が多かったから相手も変化球を警戒していたと思う。いつもドジャース戦では配球に変化を加えるが、今回は特に多くの球種を混ぜたことが効果的だった」と振り返った。
4回、テオスカー・ヘルナンデスを直球で空振り三振に仕留めたシーンも象徴的だった。ダルビッシュは「横の変化球だけでは勝負できない投手だ。カッターやツーシームを見せながら、不意にフォーシームを織り交ぜる。そうした投球で打者を惑わせている」と語った。
この勝利でサンディエゴはドジャースと並びナ・リーグ西地区の首位に浮上。ダルビッシュは今季3勝3敗、防御率5.36とした。
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