
ドイツで16年間にわたり病欠扱いのまま出勤せず、給与を全額受け取り続けていた教師の存在が明らかになり、裁判所が健康診断の実施を命じたことが明らかになった。
24日(現地時間)現地週刊誌「シュテルン」などによると、ノルトライン=ヴェストファーレン州ヴェーゼルのある職業学校に勤務するこの教師は、2009年夏から病欠を延長し続け、学校に姿を見せていないという。2015年から同校に勤める校長は、この教師について「名前を耳にしたこともない」と語った。雇用主である州当局が、この教師が長期病欠中であることを初めて把握したのは昨年だったとされている。
16年間「幽霊教師」として勤務実態のないまま給与を受け取っていた事実は、長期病欠を巡る訴訟の中で明るみに出た。州当局は今年4月、この教師に健康診断の受診を求めたが、教師側は「10年以上経っている。今さら健康診断を命じる理由はなく、精神状態の検査要求は人格権の侵害だ」として裁判を起こした。
しかし、裁判所は去る12日、健康状態を確認することは雇用主の保護義務にあたり、診断要求は正当だと判断したという。裁判所はさらに「州当局が健康診断をもっと早く命じなかったのは理解しがたい」としながらも、判決には影響を及ぼさないと付け加えた。
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