
米国のあるカヤック選手が、オンラインで知り合った女性と新生活を始めるために自身の死を偽装し、警察に逮捕された。
27日(現地時間)、NBCニュースなどによると、ウィスコンシン州グリーンレイク郡裁判所は、昨年「死亡」を偽装して海外に逃亡し詐欺容疑で起訴されたライアン・ボーグワードに対し、失踪期間と同じ89日間の実刑判決を下した。
事件は昨年8月12日に発生した。ボーグワードはグリーン湖で釣りに出かけた後、突然姿を消した。当時、現場には彼の携帯電話、身分証明書、救命胴衣、そして転覆したカヤックが残されており、湖で溺れて行方不明になったと推定された。
通報を受けて出動した警察は、ダイバーを投入して湖を徹底的に捜索した。無人潜水機まで動員された捜索活動は約2か月間続いたが、湖のどこにも彼の遺体は見つからなかった。
警察は失踪から89日目、思いがけない場所で彼の痕跡を発見した。彼が失踪2日後にカナダの法執行機関で新しいパスポートを取得し、海外旅行をしていた記録が見つかったのだ。
警察の調査で、彼が失踪前に高額の生命保険に加入し、海外の銀行口座に資金を移していたことが判明した。パスポート再発行後、精管再通手術も受けていた。失踪当日にはブラウザの検索履歴を消すなど、不審な行動も見られた。彼は意図的に、遺体が沈みやすい水深30m以上のグリーン湖を犯行現場に選んだことが確認された。
22年間連れ添った妻はもちろん、3人の子どもまで置き去りにしてまで自身の死を偽装した理由は、オンラインで知り合った女性のためだった。
彼はカナダでパスポートを取得後、東欧のジョージアに渡り、ネットで知り合ったウズベキスタン出身の女性と同棲を始めた。しかし、この女性が11月に当局に通報したことで、彼の居場所が特定された。
ボーグワードは法執行妨害の容疑をかけられたが、軽犯罪に該当するため犯罪人引渡しは不可能だった。ただし、家族と警察の説得により、彼は昨年12月に米国へ帰国した。
当初、検察は彼に45日の禁錮刑を求刑したが、裁判官は彼が失踪を偽装していた期間と同じ89日間の実刑を言い渡した。併せて、捜索活動に関わる費用3万ドル(約440万9,780円)の支払いも命じた。妻は4か月ぶりに戻ってきたボーグワードと離婚した。
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