
中国で旅客機の非常口をトイレのドアだと勘違いして開けた結果、該当便が運休となる事故を起こした乗客が、約160万円を支払うことになった。
14日、香港Dimsum Dailyの報道によれば、浙江省衢州市柯城区人民裁判所は、昨年、旅客機の出発直前に非常口を開ける事故を起こしたチャン氏に対し、中国国際航空へ7万7,593元(約160万7,550円)の賠償を命じた。
チャン氏は昨年7月4日、浙江省の衢州空港から成都天府国際空港へ向かう中国国際航空CA2754便に搭乗中、トイレに行こうとして誤って非常口を開ける事故を起こした。生まれて初めて航空機に乗ったチャン氏は、旅客機の尾部に設けられた非常口をトイレのドアだと勘違いして開けたという。
チャン氏が非常口を開けた際に非常用スライドが展開され、結果、その便は運休となった。
この事故により、チャン氏は空港保安当局の尋問を受け、衢州空港側は乗客に対し宿泊を提供することとなった。
チャン氏は尋問で「飛行機のトイレのドアは普通と違い、容易には開かなかった」と述べ、「本当にトイレに行きたくて力を入れて引っ張ったところ、ドアが開いた」と証言した。
その後、中国国際航空はチャン氏に対し損害賠償訴訟を提起。中国国際航空は、航空機整備費、運休便の補償費、乗客の宿泊費等、合計11万847元(約229万6,500円)の損害賠償額を請求した。
一方、チャン氏は中国国際航空の規定違反、職務怠慢、不十分な対応などの問題があったと指摘。旅客機の尾部という重要な安全区域に、チャン氏が特段の制裁を受けることなく立ち入ることができ、警告表示等の案内もなかったと主張した。
裁判所は、チャン氏に70%の賠償責任があり、中国国際航空に30%の責任があると判断。
裁判所は、機内の座席前には安全案内カードが設置され、電子スクリーンにも安全指示が表示されており、さらに機内のトイレが明確に示されていたことなどを理由に、チャン氏の責任がより大きいと認定した。
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