「ズボン未着用」でTV出演したインド政治家、SNSで騒然 法廷に訴えるも判事が一喝し波紋拡大

インド与党BJP(インド人民党)の報道官が、ズボンを履かずにTV討論に出演したように見える映像がSNSで拡散し、嘲笑を浴びたことを受け、関連投稿の削除を求めて名誉毀損訴訟を起こした。しかし裁判所は「政治家なら批判に対して厚い皮を持つべきだ」として、風刺的な投稿の削除は認めなかった。
24日(現地時間)、ヒンドゥスタン・タイムズやインディペンデントなどによると、BJP報道官ガウラブ・バティア氏は、SNS上に広がった自身への嘲笑投稿の削除を求め、23日デリー高等裁判所に提訴した。
バティア氏は12日、インド全国放送のTV討論番組に出演した。インド伝統の上着「クルタ」は着ていたが、ズボンを履いていないように見える映像がSNSで急速に拡散し、ネットユーザーや野党政治家の格好の標的となった。野党サマジワディ党は「厚顔無恥なバティア氏がパジャマも履かずに討論に臨んでいる」と皮肉り、「恥を知らないのか」と批判した。

これに対しバティア氏は「クルタとショートパンツを着用していたが、カメラのアングルで誤解を招いただけだ」と反論し、「名誉毀損的な発言は不当だ」として、下品な表現を含む全オンラインコンテンツの削除を要求し、サマジワディ党をはじめ政治家やジャーナリストの投稿削除も求めた。「名声は何十年もかけて築かれる。AI生成や写真加工による投稿もあり、こうした内容は削除されるべきだ」と主張し、特に「男性の私的部分への言及や罵倒表現は削除が必要だ」と強調した。
しかし審理を担当したアミット・バンサル判事は、バティア氏が政治家である以上「厚い皮を持つべきだ」と指摘した。バティア氏の生殖器に言及するような名誉毀損投稿については削除命令を出す意向を示したものの、問題の映像に関連する風刺・皮肉の投稿は制限しないと明言した。
この事件は25日に追加審理が予定されている。バティア氏の名誉毀損訴訟は、SNS上でさらに議論を呼んでおり、あるユーザーは「ガウラブ・バティアの自爆」とコメントしている。
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