イタリア70代男性「国家詐欺」容疑で告発
50年間にわたり総額約1億円超の福祉給付を受給…「偽装障害者」と判明

イタリアで、50年もの間「全盲の視覚障害者」として福祉給付を受けていた70代の男性が、実際には視力に問題がなかったことが発覚し、国家を相手に詐欺の疑いで告発された。
14日(現地時間)、マテオなどイタリアメディアによると、イタリア北部ヴィチェンツァの検察当局は70歳の男性Aを国家に対する詐欺容疑で起訴した。
検察によれば、容疑者Aは1972年に「完全失明」の視覚障害者として登録され、以後、年金や生活補助金などの給付を受けてきた。50年間にわたって受け取った福祉給付の総額は、およそ100万ユーロ(約1億7,582万6,020円)に上るという。
しかし、福祉受給者データの精査を進めていた当局が容疑者Aの行動に不審点を見つけ、警察が約2か月間の監視に乗り出した。
その結果、容疑者Aは視覚障害者とは思えない生活を送っていたことが明らかになった。鋭い園芸用具を使って庭の手入れをしたり、他人の手を借りずに市場で果物を品定めし、現金で支払いを済ませる姿が確認されたという。
警察はA氏を「国家に対する詐欺」容疑で告発し、当局はすべての年金と補助金の支給を停止した。さらに税務調査を行い、直近5年間に不正受給していた約20万ユーロ(約3,516万6,258円)の返還を命じた。
現地メディアは今回の事件について、「イタリアの福祉制度に潜む重大な欠陥を浮き彫りにした」と指摘した。当局は「障害認定の審査体制を見直し、同様の不正を防止する」とコメントしている。
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