
英国の国立公園で特異な形状のキノコが発見され、注目を集めた。
英紙「ザ・サン」によると、英国の女性がダートムアでのハイキング中に異様な形状のキノコを見つけたという。
発見されたのは「タコスッポンタケ」(学名:Clathrus archeri)で、触手のような形状と赤色から「悪魔の手指」とも呼ばれている。
女性によると、「最初に見つけたときは無臭で、おそらく生えたばかりだった。長い触手は互いに付着していたが、通常は広がって悪臭を放ち始める」と話し、「手のひらほどの大きさだったが、さらに成長すると考えた」と語った。
タコスッポンタケは「グレバ(Gleba)」と呼ばれる茶褐色の粘液を分泌する。
また、粘液は強い悪臭を放ち、昆虫を誘引する。昆虫は体や羽に胞子を付着させ、拡散の媒介となる。
米イリノイ大学のアンドリュー・ミラー教授は「ハエはタコスッポンタケの頂部に集まり、粘液を摂取する。胞子を食べるだけでなく、羽や脚に付着させて飛び立ち、拡散に寄与する」と述べた。
タコスッポンタケの原産地はニュージーランドとオーストラリアで、第一次世界大戦中に軍需品とともにフランスへ持ち込まれたとされている。
こうした経緯から、かつて軍事拠点が置かれていた英国南部で主に発見される。2023年にはハンプシャー州ニューフォレストやイースト・サセックスでも確認された。
英国には約70年前から分布しているが、発見例が少なく、菌類学者の関心を集めている。毒性は確認されていないが、強い悪臭を放つため、近づかないよう注意が呼びかけられている。
また、犬の散歩中はカビ類に近づけないよう注意が必要だ。すべてが有害ではないが、毒性の有無を見分けるのは困難とされている。
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