
中国の有名大型スーパーが「前科者向けの採用枠」での採用を実施し、実際に30人を雇用したことが明らかになり、議論を呼んでいる。
9月25日付の中国メディア・上観新聞や観察者網によると、大手スーパー・チェーン「胖東来(パンドンライ)」は10月に新店舗を開業するにあたり、約1,000人の新規採用計画を発表。そのうち2%は前科者向けの枠として設けられたという。
胖東来側は「彼らが社会に復帰し、より良い生活を送れるよう支援すべきだ」と説明。当初は軽犯罪で釈放された受刑者を対象に採用を始め、今後は重犯罪歴のある人々にも拡大していく方針を示した。
9月17日には実際に出所者を対象とした5時間に及ぶ面接が行われ、当初20人の予定を10人上回る計30人が採用された。
創業者の于東来(ユィ・トンライ)会長は面接当日、会場に直接姿を見せ「皆さんはすでに過去の代償を払った。劣等感を抱かず、それぞれの役割を果たしてほしい」と励ました。さらに「誰しも過ちを犯す。その過ちが必ずしも個人だけの責任とは限らない。すべての人が尊厳を持って生きられる社会であってほしい」と語った。30人全員が採用されると、会場からは大きな拍手が起きたという。
このニュースが伝わると、中国の世論は二分された。「人は本質的に変わらない」、「罪を犯していない人の機会を奪った」、「刑務所歴が履歴の一部になるのか」との声もある一方で、「刑務所に行ったことがない人が必ずしも善人とは限らない。一般化せずに機会を与えることが社会の正常化につながる」、「前科者にも立ち直るチャンスを与えるべきだ」といった肯定的な意見も寄せられている。
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