
パリ・ルーブル美術館でナポレオン時代の宝物を狙った窃盗事件の捜査が進む中、9月に中国人の20代の女がパリ国立自然史博物館で金塊を盗み逃走を図ったところを逮捕され、組織的窃盗などの容疑で起訴されたと、パリ検察庁が21日に明らかにした。
AFP通信などは、9月16日、24歳の中国人の女がパリ国立自然史博物館で、カリフォルニア・ゴールドラッシュ時代の遺物を含む盗難で、174万ドル(約2億6,267万円)相当の金塊を奪ったと報じた。
パリ検察庁によると、この女は犯行当日にフランスを出国し中国に向かおうとしたが、国際捜査協力により9月30日にスペイン・バルセロナで逮捕された。
容疑者は13日、フランス当局に引き渡され、同日に組織的窃盗などの容疑で拘束され、予備起訴された。
パリ検察庁は、盗まれた約6キロの金塊による被害額を174万ドルと推定し、今回の侵入により5万8,000ドル(約875万円)相当の追加被害が発生したと説明した。
ただし、検察はこの金塊の歴史的・科学的価値が計り知れないほど貴重であると強調した。
検察によると、窃盗が行われた日の午前1時頃、監視カメラにより1人が博物館に不法侵入する様子が捉えられ、午前4時頃に退出したことが判明している。
捜査官らの調査では、博物館の2つのドアが電動ノコギリで切断され、鉱物学ギャラリー内の金塊が入ったショーケースも切断機で破壊されていたことが明らかになった。
現場では、ドライバー、ノコギリ、トーチ、およびトーチに動力を供給するためのガスボンベ3個が発見された。
検察は、犯行当日の午前、博物館のキュレーターが清掃スタッフから施設内部の残骸と展示されていた金塊の消失を報告し、事件が発覚したと述べた。
博物館の館長は「極めて専門的な手口による窃盗事件だ」と語った。
盗まれた品には、ボリビア産の金塊で18世紀にフランス科学アカデミーに寄贈されたもの、ウラル山脈産の金塊で1833年にロシアのニコライ1世が博物館に寄贈したもの、19世紀後半のゴールドラッシュ時代にアメリカ・カリフォルニアで発見されたもの、そして1990年にオーストラリアで発見された11ポンド(約4.98キロ)の金塊の全4点が含まれる。
容疑者はバルセロナで逮捕された際、約2ポンド(約0.9キロ)の溶解した金貨を処分しようとした。
検察は、盗まれた金塊などの捜索とともに、共犯者の特定に向けた捜査を継続している。フランスでは組織的窃盗容疑に対し、最長15年の懲役刑が科される可能性がある。
一方、フランス国家警察は、19日にルーブル美術館で盗まれた王室の宝石を持ち、スクーターで逃走した2人の窃盗犯を追跡中である。
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