「不適切な動画」が原因で…SNS投稿のカップルに「結婚命令」ナイジェリア裁判所

ナイジェリアの著名コンテンツクリエイターのカップルが、ソーシャルメディア(SNS)に愛情表現の動画を投稿したとして、現地の裁判所から「2か月以内に結婚するように」と命じられた。
21日(現地時間)、BBCなど海外メディアによると、ナイジェリア北部カノ州の宗教裁判所は、地域のイスラム宗教警察(ヒスバ)委員会に対し、人気TikTokクリエイターのイドリス・マイ・ウシリヤ氏とバシラ・ヤール・グダ氏の結婚式を60日以内に執り行うよう命令した。
この命令は、2人の動画がSNS上で拡散し、地域の映像検閲委員会が「不道徳でわいせつだ」と判断したことを受けたものである。映像には、2人が抱き合ったりキスを交わしたりする場面が映っており、カノ州当局は「地域の道徳的価値観や宗教的教義、文化的伝統に反する」と主張している。

ヒスバ関係者は「裁判所は60日以内に結婚を進めるよう指示したが、できるだけ早く実施する予定だ」と述べ、「両者も同意している」と明らかにした。
ヒスバはBBCに対し、結婚式の実施前に2人の薬物使用歴や精神疾患の有無を検査し、さらに性感染症検査を含む健康診断も行う予定だと説明した。
一方、ナイジェリア弁護士協会は「いかなる裁判所にも成人に結婚を強制する権限はない」として、この判決は個人の基本的人権を侵害するものだと批判し、司法当局に対して速やかな再審と、同様の違憲的命令を防ぐための措置を求めた。
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