
韓国で、同居していた女性を殺害した男に、懲役14年の刑が確定した。被告は遺体を旅行用バッグに入れ、その上からセメントを流し込み、人目につきにくい屋上の屋外ベランダに16年間も隠していたという。
29日、法曹関係者によると、最高裁判所第1部(主審シン・スクヒ最高裁判事)は、キム被告(59)に対し、殺人罪で懲役14年、麻薬類管理法違反罪で懲役2年6か月の判決をそれぞれ言い渡した原審を確定させた。
キム被告は2008年10月、巨済(コジェ)市の集合住宅で同居していた女性(当時30代)を殺害したとして起訴された。遺体は旅行用バッグに入れ、自宅屋上の屋外ベランダに埋設する際、セメントを流し込んで隠したという。事件当日、被害者と異性関係をめぐって口論となり、激昂した末に犯行に及んだとされる。
キム被告は犯行後、遺体を隠した場所の周囲にレンガを積み上げ、厚さ約10cmのセメントを流し込むことで、通常の建物の構造物に偽装していた。その後、2016年に薬物使用容疑で逮捕されるまで、犯行現場となった家に約8年間滞在していた。
一見、「完全犯罪」として葬り去られたかに思われた事件だったが、予想外の展開により、被害者の悲劇とともに世間の目に明るみに出されることとなった。
犯行は昨年8月、漏水修理のためコンクリート構造物の解体作業を行っていた作業員が屋上ベランダを掘り返した際、遺体が入った旅行用バッグを発見したことで、16年ぶりに発覚した。なお、キム被告は昨年、覚醒剤を複数回使用した容疑でも起訴されている。
第一審裁判所は、殺人罪に対し懲役14年を言い渡し、「被告は被害者の遺体を旅行用バッグに入れ、建物屋上にセメントで埋設するなど、真相究明を著しく困難にした。殺人の手段や方法、結果、その後の状況を踏まえると、極めて重大な罪に問われる」と量刑理由を述べた。
控訴審は控訴を棄却し、最高裁判所も控訴審の判断に誤りはないとして上告を棄却した。













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