大阪府交野市で、市の幹部職員によるパワハラ被害が内部通報されていたにもかかわらず、市が約1年間にわたって事案を放置していたことが明らかになった。被害を訴える職員の音声には、幹部とみられる人物の暴言が生々しく記録されている。
公開された音声では、幹部とされる職員が「返事もできないのか」「『うん』って誰に言ってるんだ、オラ」、「お前、対等か?俺と、コラ!」などと怒鳴りつける様子が確認できる。被害を訴える職員は「はい」、「違います」と答えるのみで、強い威圧的言動が繰り返されていたことがうかがえる。

27日午後、交野市役所の職員らが記者会見を開き、この音声を公表した。会見で職員は「誰も声を上げられない、『触らぬ神に祟りなし』のような職場になっている」と訴え、市内で長年続いてきた組織の沈黙の空気を明かした。
関係者によると、市の幹部2人によるパワハラ行為は少なくとも10人の職員に及んでおり、昨年7月、別の職員が内部通報制度を通じて市に報告していた。市は翌月、通報者に対し証拠の提出を求めたが、その後、被害者への直接確認を求めるのみで、調査や処分は行わず、約1年間にわたり事実上放置していたという。

交野市は取材に対し、「担当者が不在のため回答できない」とコメントした。再発防止策や調査の再開についても明確な説明を避けている。
一方、市民からは「内部通報制度が機能していない」「行政が自らの不祥事を握りつぶした」といった批判の声が相次いでいる。専門家は「長期間の放置は、組織ぐるみの隠蔽と受け取られかねない」と指摘しており、市の今後の対応が厳しく問われることになりそうだ。














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