
月面に天体が衝突する瞬間がカメラに捉えられた。5日(現地時間)、米紙『ニューヨーク・タイムズ』など海外メディアは、日本の天文学者が先月30日と今月1日に相次いで月面で大きな閃光を観測したと報じた。

公開された映像では、月の表面で一瞬光が走り、小さな点が明るくなった後に消える様子が確認できる。これは天体が月に衝突した際に生じた閃光であり、その過程でクレーターが形成されたとみられている。映像を撮影した平塚市博物館の天文学者、藤井大地氏は「月に落下した天体はおうし座流星群の一部で、時速約9万7,200km、35度の角度で月面に衝突した」と説明した。さらに「天体の質量は約0.2kgと推定され、直径約3mのクレーターを形成した可能性がある」と述べた。

このように小さな天体でも月面に閃光やクレーターを生じさせる理由は、衝突速度が非常に速いことに加え、月には大気が存在しないためである。太陽の周囲を回る天体が地球に飛来すると、大気圏で摩擦を起こし、加熱され発光する。これが流星と呼ばれる現象である。しかし月には大気がないため、天体は減速することなくそのまま表面に衝突する。
地球は大気という「防護シールド」によって天体衝突の被害をある程度抑えているが、太陽系の主な小惑星帯に近い火星では状況が大きく異なる。火星の大気は地球の1%程度と極めて希薄で、月と同様に天体がほぼ直接衝突し、多数の衝突クレーターが形成されている。













コメント0