2006年に凍結、2021年に出生
双子の姉妹と生物学的には同い年

中国・湖南省で15年間凍結保存されていた胚から誕生した体外受精児が、健康に成長していることが伝えられた。湖南省では最も長期間凍結された胚から生まれたケースで、医療界と一般の関心を集めている。
19日付の中国新聞網によると、中国の中信湘雅生殖・遺伝専門病院は、15年間凍結されていた胚から誕生した子どもの健康状態について、4年以上の追跡調査を経て「正常」と評価したと正式に発表した。
胚の年齢は15歳… 最年長の赤ちゃん
この子どもは2021年2月に生まれた「2020年代生まれ」の男児だが、胚が形成されたのは2006年で、胚の年齢としてはすでに15歳に相当する。このため出生当時から「最年長の赤ちゃん」と呼ばれていた。さらに、この男児の姉である双子の姉妹は同じ胚群から2006年に誕生しており、3人は生物学的には同い年とも言える。
夫妻は2005年に不妊のため病院を訪れ、医療スタッフが女性から18個の卵子を採取し、12個の健康な胚を作った。一部は移植され双子の姉妹が誕生し、残る10個はマイナス196度の液体窒素タンクで保管された。

15年後に目覚めたタイムカプセル…医学的成果と課題
双子の姉妹はその後健康に成長し、夫妻は2020年、第3子を望んで再び病院を訪れた。医療スタッフは保存していた10個の胚をすべて融解し、最も発育が良好な胚を選んで移植し、男児が誕生した。
病院側は「凍結胚は、いわばタイムカプセルに保管されている状態で、理論上は無期限の保存も可能だ」としながらも「10年以上凍結された胚の妊娠成功率に関する臨床データはまだ十分ではない」と説明している。
米国では30年間凍結された胚の出産事例も報告されている。凍結胚技術は、時間と生殖能力を切り離せる点から、がん患者の生殖能力の温存や、社会的事情で妊娠を先送りする場合などに広く活用できるとされる。
一方で、長期保存された胚の安全性に対する懸念や「15歳の胚から今しがた生まれた子ども」という概念が従来の生命倫理と衝突するとの指摘も出ている。















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