
約1か月にわたり排便ができなかった41歳の男性が、腸閉塞の合併症によって死亡していたことが分かった。死亡時、体内には9キログラムを超える硬化した便が溜まっていたという。
英紙『ザ・サン』や『インデペンデント』などによると、米オハイオ州にあるグループホーム「クリア・スカイズ・アヘッド」を運営する法人に対し、ジェームズ・スチュアートさん(41)の遺族が不当死亡として訴訟を起こした。
知的・発達障害があり、日常生活に支援が必要だったスチュアートさんには、もともと慢性的な便秘の持病があった。訴訟資料によると、死去前の数週間から、長い場合では約1か月間にわたり排便がなかったとされている。スチュアートさんは昨年11月15日、重度の便秘に起因する合併症のため死亡した。
スチュアートさんが服用していた薬には、重い消化器系の副作用が生じる可能性があることが知られていた。しかし、亡くなる数日前から無気力な状態が目立ち、強い腹痛を訴えていたにもかかわらず、施設職員は家族や医療機関に報告しなかったとされる。
当時、腹部は明らかに膨張し、皮膚には内出血の痕も確認されていた。死去前日の11月14日には、施設管理者と職員がスチュアートさんとともにオンラインで精神科診療を受けたが、この際にもこうした症状は医師に伝えられていなかったという。
翌15日、職員がスチュアートさんに対しトイレに座るよう指示したが、排便はできなかった。その後、同日午後、スチュアートさんは自室で倒れているところを発見された。
駆けつけた救急隊は、腹部に変色した線状の痕があり、腹部全体が著しく膨張して硬直していたと記録している。スチュアートさんは近隣の病院に搬送されたが、ほどなく死亡が確認された。検視官は、大腸が9キログラム以上の硬化した便で閉塞していたと明らかにした。
その結果、体内の圧力が異常に高まり、緊張性気腹と呼ばれる致死的な状態を引き起こしたという。腹腔内に空気が溜まり、腸壁に生じた微細な穿孔部から空気が漏れ出したと説明されている。
スチュアートさん側の代理人であるマット・ムーニー弁護士は、腸内の圧力が腸壁を破って体腔内に空気が押し出され、それが直接の死因となったと説明したうえで、「適切な医療的・生活支援が行われていれば、このような事態は防げたはずだ」と主張している。













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