
有名人やインフルエンサー、対話型AIへの一方的な親近感として知られる「パラソーシャル関係」が世界的に拡大している。英ケンブリッジ大学は今年の言葉に「パラソーシャル(parasocial)」を選定した。
18日(現地時間)、英デイリー・メールによれば、同大学は「パラソーシャル」を「面識のない有名人に情緒的なつながりを感じる一方的な関係」と定義し、今年の社会・文化的動向を象徴する語だと発表した。
同大学は例として、米歌手テイラー・スウィフトと米プロフットボール選手トラビス・ケルシーの婚約発表に際し、世界のファンが実際の関係を持たないまま強い喜びや感情的反応を表した事例を挙げた。こうした一方的な関係は従来の芸能人とファンの枠を超え、インフルエンサーやユーチューバー、ストリーマー、AIチャットボットなどにも広がっていると説明した。
ケンブリッジ大学のウェブサイトでは「パラソーシャル」の検索量が今年大幅に増え、大衆の関心の高まりが確認された。
言語学者で辞書学者のコリン・マッキントッシュ氏は「パラソーシャルは2025年の時代精神を端的に表す語だ」とし、「本来は学術用語だったが、現在は一般語として定着した。数百万人がすでにパラソーシャル関係を持ち、その現象への関心も広がっている」と語った。
今年の辞書には「delulu」(妄想的というインターネット流行語)、「skibidi」(ミーム起源の無意味語)、「tradwife」(伝統的役割を重視する妻)、「slop」(AI基盤の低品質コンテンツ)、「memeify」(事象や画像をミーム化する行為)など約6,000語が登録されたが、同氏は「パラソーシャル」が今年の社会変化と言語感覚を最も的確に捉えた語だとした。
専門家はパラソーシャル関係について、肯定的なファン心理として作用することがある一方、特定の人物への過度な信頼や情緒的依存、非現実的な親密感へ発展すると危険性を帯びる可能性があると警告した。
ケンブリッジ大学の実験社会心理学者シモーネ・シュナル教授は「多くの人々がインフルエンサーに一方的な忠誠心を抱き、家族や友人、指導者に準じる存在として扱う場合がある」と語り、「特に青少年層はAIチャットボットを友人や会話相手、心理的な慰めの代替として受け止めやすく、関係の幻想に陥りやすい」と指摘した。













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