
複数の言語を話すと老化のスピードを遅らせる可能性があるという研究結果が発表された。
「Newsis」によると、11日の「ユーロニュース」の報道では、『Nature』に掲載された研究結果で、1つの言語しか話さない人は加速老化を経験する可能性が高いことが示されたという。
この研究によれば、複数の言語を話すヨーロッパ人は、平均して加速老化を感じる可能性が約半数と数値が低かった。
加速老化とは、同年齢層の平均よりも速いペースで認知機能や身体機能が低下し、生物学的年齢が実際の年齢よりも高い状態を指す。老化が早く進むと、年齢とともにかかりやすい病気になる可能性が高くなる。
一方で、話せる言語が1つ増えるごとに老化の進行が遅くなることが確認されている。研究参加者の社会的、環境的、政治的な違いに関係なく、こういった傾向が見られたという。
この研究の共同著者であり、トリニティ・カレッジ・ダブリン大学の神経科学者アグスティン・イバニェス氏は、「言語が1つ追加されるごとに、老化を遅らせる測定可能な保護効果が得られた」と述べ「複数の言語を使用する日常的な活動が、生物学的な老化スピードに影響を与える」と語った。
また、彼は「複数の言語を話す行為は、さまざまな神経システムを継続的に鍛えることになる」とし「言語活動では意識的な制御やルール切り替えが必要で、これが加齢で衰える神経回路を強化する」と説明した。
さらにイバニェス氏は、こうした言語活動には感情面でのメリットもあり、人々の社会生活やアイデンティティを強化し、健康に良い影響を与えると付け加えた。
さらに「多言語使用は社会的つながりや文化的帰属意識、感情の調整能力も向上させる。これによりストレスは軽減され、心血管・代謝・免疫の健康が促進される。したがって、このメカニズムは生物学的・神経的・認知的・社会的要素が相互に作用し、回復力を構築する多層的なプロセスである可能性が高い」と述べた。
過去にも、2言語を利用すると老化スピードを遅らせることができるという研究はあったが、研究対象が少なく、認知低下に焦点を当てたものが多かった。今回の研究は広範囲なデータを活用し、多言語使用が健康全般と老化において良い影響を与えるという、幅広い視点で示しているとイバニェス氏は説明した。
一方、欧州連合(EU)の資料によると、EU内の就業可能年齢の成人の約75%が2つ以上の言語を話す。北欧諸国ではバイリンガル率が高いが、相対的に南欧は比率が低い。













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