
飛行機内で非常口をトイレと誤認して開けた乗客が、多額の損害賠償金を支払うことになった。
中国の現地メディアによると、2024年7月、浙江省の衢州空港で成都行きのエアチャイナ(中国国際航空)CA2754便に搭乗した乗客のジャン氏は、離陸待機中に機内のトイレを探していた。
初めての飛行機搭乗だったこの乗客は、非常口のドアをトイレと誤認し開け、その結果、非常脱出用スライドが展開された。
当該便は安全上の理由から直ちに欠航となり、ジャン氏はその場で警察の事情聴取を受けた。
彼は警察の調べに対して「飛行機搭乗が初めてで、当時は乗務員が周囲にいなかった」と述べ、単なる過失だと主張した。
しかし、エアチャイナ側は、欠航に伴う乗客への補償費用や航空機の修理など、総額11万元(約235万円)の損失が発生したとして、損害賠償訴訟を提起した。
最近開かれた裁判において、裁判所はエアチャイナ側の主張を認めた。ジャン氏が初めて飛行機に搭乗したとはいえ、乗客として座席に備え付けられた安全規則を確認せず注意義務を怠ったと指摘。
ジャン氏は基本的な注意義務を怠った責任として、エアチャイナが請求した損害額の70%にあたる7万7,000元(約164万円)の賠償を命じられた。
ただし、裁判所は損害額の30%については、乗務員の配置や案内が不十分だった航空会社側にも一部の責任があると判断した。
現地の法律専門家は「今回の判決は、乗客と航空会社が機内の安全に対する責任をともに負うべきだという趣旨を反映している」とし、「これまですべての責任を航空会社のみに求める方式からの転換という点で大きな意義がある」と分析した。
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