引用:アメリカ・シカゴ・フィールド自然史博物館
引用:アメリカ・シカゴ・フィールド自然史博物館

 

始祖鳥として知られる「アーケオプテリクス(Archaeopteryx)」は、これまでに確認された最古の鳥類で、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』出版の2年後、1861年に化石が発見された。始祖鳥の化石は、自然選択による進化の最も確実な証拠として受け入れられてきた。

米シカゴ・フィールド自然史博物館、シカゴ大学進化生物学研究室、ジョンズ・ホプキンス大学医学部機能解剖学・進化研究センター、イスラエル・テルアビブ大学動物学部、シュタインハート自然史博物館、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の共同研究チームは、紫外線とCTスキャン技術を用いて、始祖鳥が特殊な内側二次風切羽を持っていたことを新たに解明した。この研究結果は、科学誌『ネイチャー』5月15日号に掲載された。

今回分析された化石は、他の始祖鳥の化石と同様に、1億5,000万年前の中生代ジュラ紀末に形成されたドイツ・ゾルンホーフェンの石灰岩層で発見された。1990年頃に発掘され、個人が所有していたが、2022年にシカゴ・フィールド自然史博物館が取得した。世界に現存する始祖鳥の化石の中で14番目の標本であり、大きさは現代のハト程度で最小だ。

研究チームが岩石から化石を分離するためにCTスキャンで始祖鳥の3D画像を分析した結果、始祖鳥の化石は岩石表面から3.2mmの深さに埋没していた。また、紫外線分析により、足指や足裏の鱗といった軟組織がそのまま保存されていることが確認された。

調査の結果、始祖鳥の両翼には特殊な内側二次風切羽である「三列風切羽」が存在することが明らかになった。始祖鳥は羽毛を持つ最初の恐竜でも、翼を持つ最初の恐竜でもないが、羽毛を使って飛行した最古の恐竜として知られている。始祖鳥以外の翼を持つ恐竜で、三列風切羽を持つものはまだ発見されていない。始祖鳥は非常に長い翼骨を持ち、そこに一次風切羽と三列風切羽があることで、揚力を生み出す完璧な空力学的構造を持っていたことが今回新たに確認された。

また、頭蓋骨と脊椎の間には一対の「前環椎」という骨が観察され、従来の認識とは異なり、頭蓋骨はそれほど硬くなく、尾はより長いことが判明した。軟組織の分析結果、翼に付いた小さな指骨は人間のように自由に動かすことができ、足裏の形状は地上歩行にも適していたことが分かった。これらの特徴から、始祖鳥が地上で多くの時間を過ごし、サルのように木に登ることもでき、樹上に巣を作って生活していた可能性があると研究チームは説明している。

今回の研究を主導したシカゴ・フィールド自然史博物館のジンマイ・オコナー博士は「今回明らかになった事実を含め、始祖鳥の研究を通じて現代の鳥類の進化と生態学的な謎を解明できるだろう」と述べた。

織田昌大
織田昌大

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