
中国のある住宅で保管されていた現金200万元(約4,020万円)が火災によって焼失した。最近、中国では自宅で保管していた多額の現金を火災などの事故で失うケースが相次いでいる。
中国人民銀行によると、最近、安徽省亳州市(あんき省はくしゅう市)に住むヤン氏の自宅で火災が発生したという。家の裏手に積まれていた薪に火がつき、建物全体に燃え広がったとのことだ。
当時、ヤン氏を含む家族は全員外出しており人的被害はなかったが、建物とともに数年間かけて貯めていた現金の大部分が焼失した。
これを受けて中国人民銀行は職員を派遣し、ヤン氏の現金のうち損傷が軽く金額が判別可能な紙幣については交換することを決定した。ただし、交換された具体的な金額は明らかにされていない。
中国人民銀行は、自宅に現金を保管する事例が増加していることを受け、適時、銀行へ預け入れるよう呼びかけている。同行の関係者は地元メディアとのインタビューで、「多額の現金を自宅に保管していると、火災や洪水といった災害で損失を被る可能性がある」とした上で、「虫に食われたり、腐敗したりすることもある」と説明した。
中国では、こうした現金焼失の被害が後を絶たない。2024年3月には黒竜江省(こくりゅうこう省)の住民が火災によって退職金200万元を失った。また、亳州市では10万元(約200万円)が焼失する被害も発生している。
一方、中国政府が昨年発表した「東北部農村金融調査報告書」によると、農村地域の住民の68%が「銀行よりも自宅に現金を保管する方が安全だと思う」と回答している。