
米軍がドローンの迎撃を目的とした、自動照準機能付きの小銃用「スマートスコープ」を導入した。
米メディアのフォックス・ニュースは11日(現地時間)、米陸軍が敵のドローンとの交戦に備えるため、この先端照準器を兵士に支給し始めたと報じた。
「スマッシュ2000L」と呼ばれるこの軍用装備は、イスラエルの企業スマート・シューターによって開発されたもので、重さは約1.1kg、通常の小銃に装着可能である。すでに実戦でのテストを経ており、他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍隊にも導入されている。
米陸軍は先月、スマート・シューターと1,300万ドル(約18億6,588万円)規模の供給契約を締結した。これは、実戦で有効な新技術を迅速に部隊に配備することを目的とする戦略的プログラム「トランスフォーメーション・イン・コンタクト(TIC:Transformation In Contact)2.0」の一環として知られている。

今月6日から7日にかけて、ドイツ・ホーエンフェルスで行われた実弾射撃訓練では、米陸軍の兵士たちがM4A1小銃にこの照準器を装着し、上空のドローンを命中させるデモンストレーションを披露した。

軍事専門メディア「アーミー・レコグニション」によると、この装備はカメラやセンサー、AI技術を活用して目標を自動で追尾し、最適な発射タイミングを判断する仕組みだという。一度、クアッドコプターや固定翼型の小型ドローンなどに銃口を向けて引き金を引けば、命中が確実になるまでシステムが自動で射撃を制御するという。
現在、ウクライナ戦争では比較的安価で、かつ静音性と機動性を備えた小型の一人称視点(FPV)ドローンが広く使用されている。ロシア軍とウクライナ軍の双方が、こうしたドローンを用いて爆弾を投下したり偵察任務を行ったりしているのだ。これまで、こうした小型ドローンに対抗するには、大型で複雑な兵器が必要とされてきた。しかし、米陸軍が今回導入したこの軍用装備であれば、一人の兵士でも後方支援なしにドローンを撃墜できると、フォックス・ニュースは説明している。