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「ホルムズ封鎖は経済的自殺」と米長官が警告…原油の約半分を輸出するイラン、4割が中国向け

川田翔平 アクセス  

引用:ブルームバーグ
引用:ブルームバーグ

米国が、イランによるホルムズ海峡の封鎖の可能性に対し、強い警告を発した。イランが世界の主要な原油輸送ルートであるホルムズ海峡を封鎖する動きを見せており、米国は自国経済への直接的な影響は限定的としながらも、日本や韓国などの同盟国を含む世界経済に深刻な打撃を与える可能性があると警戒を強めている。

イラン、ホルムズ海峡封鎖の可能性高まる

22日(現地時間)、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やニューヨーク・タイムズ(NYT)などによると、イランはホルムズ海峡封鎖に向け、船舶への攻撃や機雷の設置を行う可能性があるという。イランは「リンペット機雷」や「係維機雷」、海底に沈めて目標接近時に浮上して爆発する「沈底機雷」など、様々な種類の機雷を保有しているとされる。

ホルムズ海峡は地理的特性上、イランが封鎖作戦を実行しやすい場所とされている。水深が比較的浅く、大型タンカーが通航できる航路が限られているため、多くの船がイランの領海を通る必要がある。このため、実質的にイランが海峡を支配している形となっている。

特に浅い海域を航行する船舶は機雷攻撃に弱く、またイランの海岸線に近いため、ミサイルや小型艇、ヘリコプターによる攻撃にもさらされやすいという。

イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、世界の原油供給が混乱し、価格高騰や株式市場の下落を引き起こす可能性がある。米エネルギー情報局(EIA)によれば、昨年時点で1日あたり2,000万バレル、世界消費量の約20%がこの海峡を通過したという。そのため、封鎖されれば、原油価格は急騰せざるを得ないとの見方が広がっている。ゴールドマン・サックスは「イランが本当に封鎖を実施すれば、原油価格は1バレルあたり100ドル(1万4,653円)を超える可能性がある」と警告している。

イランにとって、ホルムズ海峡の封鎖は戦争行為であると同時に、外交カードとして活用できる可能性もある。中東の産油国に米・イラン間の外交的解決を促す圧力をかけることができる上、アメリカとの対話に持ち込めれば、イランは政権を維持しつつ、自国民に対して米国が妥協したと伝え、現状を収束させることができる。

米「あらゆる対応策を準備」 イラン封鎖に対抗姿勢

一方で、イランが実際に封鎖に踏み切れば、それはアメリカにとってイランをより強く攻撃する口実となる可能性も指摘されている。JPモルガンは「イランが封鎖に踏み切る可能性は低い」と分析しており、その理由として、封鎖は事実上アメリカへの宣戦布告に等しいためだという。

マルコ・ルビオ米国務長官は「それはイランにとって経済的自殺行為になる」と述べた。実際、イランが生産する原油のほとんどはホルムズ海峡を経由して輸出されており、イランはOPEC(石油輸出国機構)の中で3番目に多く原油を生産する国でもある。日量330万バレルのうち、少なくとも160万バレルを輸出し、その約8割が中国向けとなっている。

また、ルビオ長官は「イランのホルムズ海峡封鎖はアメリカよりも他国経済に深刻な影響を与える」と説明した。EIAによると、昨年アメリカがホルムズ海峡経由で輸入した原油・液化ガスは日量約50万バレルで、全体消費のわずか2%にすぎなかった。

またルビオ長官は「イランが封鎖に動いた場合、アメリカは複数の対応策を有している」と強調した。代表例として挙げられるのが、バーレーンに拠点を置く米海軍第5艦隊である。この艦隊はペルシャ湾など周辺海域の安全保障と海上貿易の保護任務を担っている。

専門家たちも、仮にイランがホルムズ海峡封鎖に動けば、米海軍が迅速に制圧に乗り出すだろうと予測している。 

ただし、ジョージ・W・ブッシュ前大統領時代にエネルギー顧問を務めたラピダン・エナジー・グループのボブ・マクナリー社長は「最終的にはアメリカが勝利するだろうが、それは決して簡単な戦ではないだろう」と語っている。

川田翔平
editor@kangnamtimes.com

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