
近年、SNSやYouTubeを中心に「フェイスヨガ(Face Yoga)」が世界的なブームとなっている。
米CNNは22日(現地時間)、「フェイスヨガは顔にある数十の筋肉を鍛えることで、ハリのある若々しい印象を保つ助けになる可能性がある」と報じた。マッサージやストレッチ、笑顔をつくるといった簡単な動作だけでも、肌やメンタルヘルスに良い効果が期待できるとされている。
米コーネル大学医学部の臨床准教授であるアネタ・レズコ博士は、「1日10~15分程度、顔の筋肉を動かしストレッチをすることで、むくみの軽減や血行促進に役立つ」と述べた。特にストレスの影響を受けやすい額やあご、肩などの緊張を和らげる効果も期待できるという。
また、ノースウェスタン大学の皮膚科専門医ムラッド・アラム教授は、「フェイスヨガの鍵は、脂肪層の下にある筋肉を強化することにある」と指摘。中年層の男女16人を対象にした20週間の研究では、「毎日30分間フェイスヨガを続けた参加者の頬のラインや顔のボリュームに改善が見られた」と語った。
中でも頬の筋肉は顔の中で最も大きい筋肉のひとつで、鍛えることで外見の変化がより明確に現れるという。ただしアラム教授は「今回の研究は被験者数が少なく、客観的な測定指標も限られていたため、さらなる検証が必要だ」とした上で、「美容施術に抵抗のある人にとって、フェイスヨガは有効な代替手段になり得る」とコメントしている。

特別な器具不要、シンプルな動作だけでOK
「The Yoga Face(ヨガ・フェイス)」の著者であり、ヨガの専門家でもあるアネリス・ハーゲン氏は、「顔の筋肉をさまざまな表情で動かし、呼吸を整えるだけでも緊張が和らぎ、メンタルヘルスにも良い影響がある」と語る。
たとえば、口角を軽く上げる「ブッダスマイル」や、舌を突き出して目を大きく見開き、息を吐き出す「ライオンの呼吸」といった動作が代表的だ。ハーゲン氏は「特に顔のリンパの流れを刺激することで、むくみの改善にも効果的だ」とし、「寝ている間に溜まったリンパ液が、朝の顔のむくみを引き起こすが、簡単なフェイスヨガで軽減できる」と強調している。
ただし、専門家たちはフェイスヨガが美容皮膚科の施術を完全に代替できるわけではないと指摘する。目の下のように皮膚が薄く敏感な部位は強くこすったり引っ張ったりしないようにし、ニキビ治療や深いシワの改善など専門的なケアが必要な場合は、必ず皮膚科医の診察を受けるべきだと助言している。
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