ロンドンで「切り裂きジャック・ツアー」が大人気 住民からは怒りの声も
19世紀にロンドンを恐怖に陥れた連続殺人犯「切り裂きジャック」が、現代のロンドンでは観光資源として注目を集めている。毎晩数百人が参加するツアーが開催されており、「ダークツーリズム」の一環としてその人気は高まる一方だ。

観光客は午後8時から90分間、イーストエンドの街を歩きながら殺人事件の現場を巡り、詳細な解説を受ける。殺人方法の描写や映画『サイコ』の音楽の使用など、ツアー内容が刺激的になるにつれ、演出競争も過熱している。
ガイドの中には、被害者の遺体写真を使ったり、ナイフを持って登場したりと、観光客の注目を集めようと過激な演出を行う者もいる。こうした状況は一部住民にとって深刻な問題となっている。
地域には「Jack the Clipper」や「Jack the Chipper」など、殺人犯の名をもじった店舗が増えており、犯罪の商業利用に対する倫理的な議論が起きている。「こんな場所で子どもを育てられない」と嘆く住民の声も少なくない。

今後もツアーの人気が続く一方で、地域社会との共存や倫理的配慮が強く問われることになりそうだ。
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