「読むだけじゃ足りない」踊りながら音読?中国式“朝の読書授業”が賛否呼ぶ

中国の一部中高学校で、生徒が教科書を大声で読み上げながら体を動かすという独特な学習法が導入され、注目を集めている。
香港紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』が7日に報じたところによると、この「朝の朗読授業」は、教科書を音読しながら体を揺らしたり腕を振るなど、全身を使うスタイル。身体を動かさない場合でも、声に出して読むことが重視されており、授業時間はおよそ30分程度とされる。

河北省の衡水中学では、朝6時からこの活動を始めており、軍隊式の厳格な教育で知られている。貴州省のある学校では、終日この学習法を採用しているといい、山東省の学校では、生徒に英語や中国語の教科書を「情熱的に」朗読させることで記憶力や自信を高めているという。
この方法は、少なくとも2021年には中国のSNS上で紹介され始め、発祥とされる山西省の高校では、当時の卒業生が自主的に始めたとされている。
背景には、2025年も1,335万人が受験すると予測される中国の大学入試「高考(ガオカオ)」がある。生徒たちにとっては「人生逆転の唯一のチャンス」とされるだけに、衡水中学のような極端な教育手法が中国全土に広がりつつある。同校では1日16時間の授業、昼休みはわずか15分、シャワーは週2回といった生活が日常とされている。
一方で、「朝の朗読授業」についてはネット上でも賛否が分かれている。「身体を動かすことで記憶に残りやすい」「テンポよく読めるようになる」といった肯定的な声もある一方で、「激しく動いて本当に内容が頭に入るのか」「読書と呼べるのか疑問」といった批判的な意見も多く見られる。
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