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2025年07月15日火曜日
ホームニューストランプ氏が“異例の”2度目の国賓訪問へ…関税協議をいち早く終えた英国と関係深化か、それとも再び火花が散るのか

トランプ氏が“異例の”2度目の国賓訪問へ…関税協議をいち早く終えた英国と関係深化か、それとも再び火花が散るのか

引用:ホワイトハウス
引用:ホワイトハウス

ドナルド・トランプ米大統領が、異例ともいえる2度目の英国国賓訪問に招かれることが決まり、9月17日から19日にかけてウィンザー城でチャールズ3世国王とカミラ王妃の歓待を受ける。バッキンガム宮殿は14日(現地時間)、この訪問を正式に発表した。

王室の発表によれば、トランプ大統領は夫人メラニア氏と共に3日間の訪英を行い、チャールズ国王夫妻のもてなしを受けることになる。米大統領が在任中に2度、英国から国賓として迎えられるのは前例がなく、今回の訪問は特別な外交的意味合いを帯びている。

トランプ大統領は2019年、当時のエリザベス2世女王の招待で初の国賓訪問を果たしており、今回はチャールズ3世体制下での初の招待となる。報道によれば、2月に英国のキア・スターマー首相がホワイトハウスを訪れた際、すでにこの国賓招待を直接伝えていたとされている。

トランプ大統領は「これは本当に素晴らしい栄誉だ」とコメントし、ロンドン西部のウィンザー城に滞在できることへの喜びも語った。通常、国賓の主要行事はバッキンガム宮殿で行われるが、現在は改修工事中のため、フランスのマクロン大統領と同様、ウィンザー城での接遇が予定されている。

一方で、今回の訪問がすべての英国民から歓迎されるとは限らない。2019年の訪問時には、トランプ大統領を怒った赤ん坊に見立てた巨大な風船がロンドン中心部の議事堂前に浮かび上がり、大きな抗議の象徴となった。今回も一部で反発の声が上がる可能性は否定できない。

スターマー政権下の労働党内からも懸念の声が上がっている。特に、現在の米国がイスラエルによるガザ攻撃を支持し、カナダやグリーンランドといった友好国の主権に関して過激な発言をしている中で、「国賓」という格式が果たして適切かという疑問が噴出している。

特に複雑な立場に置かれているのがチャールズ3世国王だ。国王は英国だけでなくカナダの元首でもあるため、過去にトランプ大統領が「カナダは米国の51番目の州になるべきだ」といった挑発的発言をした経緯もあり、王室としての中立的な立場が問われかねない状況となっている。

チャールズ国王は今年5月、カナダ議会での演説で「カナダの主権と独自のアイデンティティ」を尊重する姿勢を明確にし、カナダ国歌の一節「真の北は強く自由だ」を引用して拍手喝采を浴びた。その文脈からも、今回の訪問が外交的に繊細な局面であることは間違いない。

それでも、国賓訪問は国家間の友好関係を象徴する重要な儀礼であり、王室による軍の儀仗、馬車行列、国王主催の晩餐会など、格式高い行事が用意される。

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