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2025年07月15日火曜日
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【衝撃の発見】ブラックホールのリングに「8%の歪み」発見!原因は”回転”ではなく”ジェット噴流”か

引用:天文研究
引用:天文研究

「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」の国際共同研究チームが、M87ブラックホールのリングが歪んでいる理由を解明した。

研究チームは、2019年に人類史上初めて撮影に成功した、M87銀河中心の超大質量ブラックホールのリング状の影が、わずかに伸びた形状を示す理由の解明に取り組んでいた。

アインシュタインの重力理論は、ブラックホールの影が時空の歪みにより楕円形になると予測していた。この楕円率の測定は、ブラックホールの回転を直接証明し、一般相対性理論を検証する重要な手段となる。

今回の研究では、既存のEHT望遠鏡網にグリーンランドの望遠鏡を新たに加えた2018年の観測データを使用。測定精度が向上し、ブラックホールリングの楕円率を従来の3〜5倍の精度で測定することに成功した。

観測の結果、リングが完全な円から約8%楕円形に歪んでいることが確認され、この楕円は北から反時計回りに50度傾いていた。これはリング上で最も明るい部分の方向とも一致している。

研究チームは、この楕円形状がブラックホールの回転に起因するかを検証するため、観測結果を様々な理論シミュレーションと比較した。

その結果、ブラックホールの回転と観測された楕円率の間に統計的に有意な相関関係は見られなかった。代わりに、楕円率はブラックホールから噴出するジェットを持つモデルと相関があることが示された。つまり、リングの形状は重力や回転だけでなく、ブラックホール周辺の物質の動きによって決定されることが明らかになった。

本研究論文の共同筆頭著者のチョ・イルジェ博士は、「ブラックホールのリングの歪みは、従来の予測とは異なり、ブラックホールの回転よりも周囲を取り巻く乱流プラズマの影響が大きいことが分かった」と述べた。さらに、「これは現在の観測精度の限界とも関連しており、今後、多周波数同時観測が広く活用されれば、より精密なブラックホールの画像データが得られるだろう」と期待を示した。

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