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「トランプは同盟国すら信用していない」米専門家が外交戦略に警鐘…孤立深める経済安全保障

有馬侑之介 アクセス  

引用:Newsis
引用:Newsis

同盟国と敵対国を区別しないドナルド・トランプ米政権の関税政策が同盟関係を損ね、国家安全保障上の利益を害する可能性があるとして、同盟国への関税圧力を控えるべきだとの声が米国内で高まっている。

Newsisによると、米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のカレン・ヘンドリックス上級研究員は21日(現地時間)、PIIEのウェブサイトに「米国の同盟国への関税賦課は国家安全保障を損なう」と題した論文を掲載し、この問題を指摘した。

ヘンドリックス研究員は、トランプ政権が関税政策を貿易不均衡の是正だけでなく、多様な問題解決の手段として用いていることに着目し、「地政学的にますます分断が進む世界で、友好国と敵国の区別がなされていない。これは、集団的軍事力を支えてきた経済力を弱体化させ、米国とその同盟国双方にとって有害だ」と主張した。

これまで米国は60か国以上を含む軍事同盟ネットワークを通じて、敵対国への抑止力強化や軍事力の増強、高額な防衛産業市場の確保など多くの恩恵を享受してきたにもかかわらず、トランプ政権が同盟国に対して例外措置を設けていないことに問題があるとの見方がある。

ヘンドリックス研究員は、「欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)加盟国から日本、韓国、ブラジルに至るまで、米国の同盟国は関税の賦課やその脅威に直面している」とし、「トランプ政権の戦略的アプローチはホッブズ主義的で、多極的かつ非協調的な世界観に基づいている」と批判した。

さらに、「真の友好国は存在せず、まだ衝突していない潜在的な敵国だけがいるという認識に立っている」とし、このアプローチは相対的利益に焦点を当てたゼロサムの世界を前提としており、国家は貿易で何を得るかよりも、競争相手に比べていかに少なく得るかを重視すると評価した。

また、「この考え方は、同盟ネットワークとその能力強化に基づいて利益を享受している米国の国家防衛政策の現実とは合致しない」と指摘した。

加えて、同盟国に関税を課して経済に打撃を与える一方で、国防支出の増加を求めるトランプ政権の方針も批判した。

ヘンドリックス研究員は、「予算の制約や社会福祉支出の義務を考慮すると、同盟国と米国の経済に高率関税による打撃を与えながら、同盟国にその水準の防衛費支出を維持するよう求めることは困難であり、『こうした友好国と関係を維持すること』への疑念を生むだろう」と指摘した。

また、「同盟は信頼に基づいて成り立っている。自由貿易協定(FTA)パートナーを含む貿易相手国を脅かし、関税を課すことは米国の約束に対する信頼を損なう」と述べた。

さらに、「同盟国を貿易上の敵国として扱うことは同盟間の摩擦を増大させ、集団防衛力を弱体化させる。そして、潜在的敵対国(中国ほど好都合な国はいない)がこの分裂を悪用することを促すだろう」と警告した。

最近、米国との関税交渉に苦戦していた日本で政治的な不確実性が高まったことについても、一部では米国の利益を損なう可能性があるとの見方が出ている。

日本の連立与党は20日に行われた参議院選挙で過半数の議席を維持できなかったが、米国の貿易圧力が一定の影響を与えたとみられている。

ただし、スコット・ベッセント米財務長官は同日のCNBCインタビューで「我々の優先事項は日本政府内部の問題ではなく、米国民にとって最良の合意を得ることだ」と述べ、動じない姿勢を示した。

有馬侑之介
editor@kangnamtimes.com

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