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「65歳以上はATM前で○○してはいけません!」大阪府が“全国初”の異例条例を施行…高齢者に“差別的”とも取られかねない措置、その背景とは?

竹内智子 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

大阪府が高齢者を狙った特殊詐欺、いわゆる「オレオレ詐欺」への対策として、ATM前での携帯電話通話を禁止する全国初の条例を施行する。新たな条例は8月1日から施行され、65歳以上の利用者がATMを操作しながら通話する行為を全面的に禁じる内容となっている。

この条例により、ATMを設置・運営する事業者は高齢者の通話を防止するための対策を講じる義務を負う。大阪府は人口で全国3位、流動人口では東京に次ぐ規模を誇り、観光客も多く訪れる都市であり、今回の取り組みは大きな注目を集めている。

地元の金融機関では、AIカメラを用いた通話検知システムの導入や、職員が高齢者に声をかける内規の制定など、独自の対応を進めている。JAグループ大阪東部組合は、大東市の本店にAIカメラを導入し、ATM前で通話している利用者を検知すると、警告音と音声案内が流れ、職員にも即時に通知が送られる仕組みだという。関西みらい銀行では、高齢者が通話しながらATMを利用している場合、必ず職員が声をかけるルールを定めている。

こうした取り組みの背景には、高齢者を標的にした詐欺が深刻化している現状がある。親族を装って金銭を要求する「オレオレ詐欺」や、公的機関を名乗って還付を持ちかける手口など、詐欺の手法は年々巧妙になっており、社会問題として取り上げられている。大阪府内だけでも、2023年の特殊詐欺被害額はおよそ60億8,000万円にのぼり、前年比で66%以上も急増している。

大阪府は「電車内では通話しないことがマナーとして定着しているように、今後はATM前でも通話を控えることが当たり前になる社会を目指したい」としている。ただし、この条例には違反に対する罰則は含まれておらず、AIカメラの設置なども各事業者の自主性に任されているため、無人ATMコーナーなどでは実効性に課題が残るとの指摘もある。

なお、今年3月には、大阪府議会が70歳以上の高齢者のATMでの送金額を1日10万円以下に制限する改正条例も可決しており、通話しながらのATM操作を禁止する内容も含まれている。

竹内智子
editor@kangnamtimes.com

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