
イエメン南部アビヤン州沖で、エチオピア人154人を乗せた移民船が沈没し、少なくとも142人が死亡または行方不明となった。国連と現地当局が3日(現地時間)、明らかにした。
Newsisの報道によると、現地当局者は、事故は前日午後11時ごろ(日本時間3日午前5時)に発生し、強風の影響で船が転覆・沈没したと説明している。
国際移住機関(IOM)イエメン事務所のアブドゥサトール・エソエブ代表は、これまでに68人の死亡が確認され、74人が依然として行方不明だと述べた。
また、これまでに12人が救助されており、カンファール地区の海岸では54体の遺体が収容され、別の場所でも14体が発見されて近隣の病院の遺体安置所に搬送されたという。
先に現場に到着した救助隊は、シャクラとジンジバルの海岸で20体以上の遺体を収容し、12人の生存者を救助してシャクラ病院へ搬送した。
アビヤン州の治安当局は、アフリカの角(Horn of Africa)地域から出発し、イエメンの領海を経由して不法入国を試みていたエチオピア人移民を乗せた船が転覆したと説明。現在、多数の遺体を収容するため、広範囲にわたる人道的捜索活動を展開していると明らかにした。
当局によれば、これまでに収容された遺体はジンジバル市内の病院に搬送されたが、沿岸各地で新たな遺体が見つかり続けており、海中には未回収の犠牲者が多数残されている恐れもある。
治安当局は、密入国や人身売買の防止には国際社会と関係機関の緊急介入が不可欠だとし、不法移民ルートを遮断するための具体的な対策を講じるよう呼びかけた。
アフリカ出身の移民によるイエメンへの密入国の試みは依然として続いているが、国連は、たとえ入国に成功したとしても、10年以上にわたり紛争が続くイエメンの深刻な人道危機の中で、極めて過酷な状況に直面することになると警告している。
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