
31年前に冷凍保存されていた胚から出産した米国の夫婦が、世界最高齢の冷凍胚出産記録を更新した。
ニューシスの報道によると、現地時間先月30日の英国紙タイムズは、1994年から冷凍保存されていた胚を養子縁組したリンジーさんとティム・ピアスさん夫妻が男児を出産したと伝えた。
リンジーさんは「ただ赤ちゃんを授かりたかっただけで、記録を更新するなんて思ってもみなかった」と語った。
1990年代、妊娠に苦しんでいたリンダ・アーチャードさんと当時の夫は、体外受精により4つの胚を作成。1つは当時アーチャードさんの子宮に移植され誕生したが、残り3つは長期保存された。
現在62歳のアーチャードさんは、残りの胚を「私の3つの小さな希望」と呼んでいた。彼女は残りの胚も使用しようとしたが、夫との意見の相違により断念せざるを得なかった。
離婚後、胚の親権を得たアーチャードさんは、毎年約1,000ドル(約14万8,043円)を支払い、胚を冷凍保存し続けた。しかし、自身で出産することができない年齢となったため、胚の養子縁組を決意したのだ。
あるキリスト教団体が胚提供プログラムを運営していることを知ったアーチャードさんは、7年間不妊に悩んでいたピアス夫妻と出会った。夫妻は昨年、アーチャードさんの3つの胚すべてを養子縁組し、そのうちの1つが胎児へと成長し、出産に至った。
赤ちゃんの写真を見たアーチャードさんは「先に生まれた娘にそっくり」と語った。
出産を支援した不妊クリニックの生殖内分泌学者、ジョン・ゴードン医師は「すべての胚に生命の機会が与えられるべきだ」と述べた。
ピアス夫妻のケースは世界最高齢の冷凍胚出産記録となり、2022年に米オレゴン州で30年間冷凍保存されていた胚から双子が誕生した記録を更新した。今回生まれた男の子の胚は、ティム・ピアスさんがまだ小学校に入る前に作られていた。
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