米食品業界「国内生産だけでは不十分」…トランプ政権に関税免除を要請

米食品業界が関税による供給混乱や価格上昇を懸念し、ドナルド・トランプ政権に対して関税免除を求めるロビー活動を展開していると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が24日(現地時間)報じた。
報道によれば、こうした要請は今月7日から発動された高関税の応酬関税措置を受けたもの。業界は「食品分野は米国内で十分に生産できないか、生産コストが極めて高いため、関税の影響を受けやすい」と主張している。米農務省によると、米国で消費される食品の大半は国内で生産されているが、約5分の1は輸入に依存しているという。
食品産業協会(FMI)のアンディ・ハルリック副会長は「関税免除がなければ大幅な価格上昇は避けられない」と警告しており、また「関税は価格を引き上げるために設計された制度であり、今回の一部の関税は極めて高く、目に見えるインフレにつながる」と述べた。
ただし、食品業界は関税そのものに反対しているわけではなく、各品目ごとに例外指定を求めている。このため、業界間で関税免除をめぐり競合する状況に陥っているとFTは指摘する。
米国水産協会(NFI)のギャビン・ギボンズ最高戦略責任者(CSO)は「すべての水産物に対する関税免除を望む。水産物は他の食品とは根本的に異なる」と強調した。米国で消費される水産物の85%は輸入に依存しており、国内漁獲量はすでに限界に達している上、規制により拡大も困難だと説明した。
国際生鮮農産物協会(IFPA)もトランプ政権に対し、果物や野菜に対する関税免除を要請している。IFPAによると、米国の生鮮果実・野菜の輸入額は約360億ドル(約5兆3,153億5,100万円)に上る。主要供給国はメキシコで、果物ではペルー、野菜ではカナダが続くという。
法律事務所サンドラー・トラビス・ローゼンバーグのパートナーであるニコル・ビベンス・コリンソン氏は「食品には関税免除を申請するための定められた手続きが存在しないため、手続きが複雑化する可能性がある」と指摘した。
一方、米国内での生産が困難な一部品目については免除の可能性も示唆されている。例えば、米国とインドネシア間の貿易枠組みには、米国内で生産できない天然資源を対象とする条項が含まれている。また米国と欧州連合(EU)の貿易協定にも、特定品目の明記はないものの、類似の条項があるとFTは伝えている。
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