29.2 C
Tokyo
2025年08月28日木曜日
ホームトレンド「炎熱地獄が旅客機さえ止めた!」BA機、猛暑で“離陸不能”と大混乱…やむなく乗客20人を降ろさせた

「炎熱地獄が旅客機さえ止めた!」BA機、猛暑で“離陸不能”と大混乱…やむなく乗客20人を降ろさせた

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

欧州を襲う猛暑の影響で旅客機が離陸できず、出発直前に一部乗客が降ろされる事態が起きた。世界各地を覆う異常高温が、航空機の運航にも現実的な影響を及ぼしている。

25日付の英紙『ザ・サン』や『デイリー・メール』は、イタリア・フィレンツェのアメリゴ・ヴェスプッチ空港で今月11日(現地時間)、ロンドン・シティ空港行きのブリティッシュ・エアウェイズ(BA)便が離陸直前に乗客20人以上を降ろす異例の措置をとったと報じた。

ブリティッシュ・エアウェイズは、出発予定だったアメリゴ・ヴェスプッチ空港の気温が35度を超えたことを受け、乗客を降ろす判断を下した。気温が上昇すると空気の密度が低下し、巡航高度に達するためにより多くの燃料が必要になるためだ。

旅客機は翼が押し下げる空気によって揚力を得て飛行する。しかし猛暑の影響で空気の密度が低下し、十分な揚力が得られなくなる。同じ速度でも揚力が不足するため、より高速で滑走しなければならず、結果として必要な燃料も増えることになる。

さらに、アメリゴ・ヴェスプッチ空港は他の空港に比べ滑走路が短い。全長は約1.56kmにとどまり、ロンドン・ガトウィック空港の平均3.32kmと比べて大幅に短い。そのため十分に加速できず、必要な速度に到達しにくいという制約がある。

こうした事情から、同社は乗客数を減らし機体を軽くすることで、従来の燃料でも離陸に必要な速度を確保できるようにした。

当時搭乗していた英国人乗客の一人は『ザ・サン』に対し、「操縦士が猛暑のため乗客を降ろす必要があると説明した。最初は36人が対象とされたが、最終的には約20人が自発的に降りた」と証言した。

専門家は今後も猛暑による同様の事態が増えると警告する。英レディング大学のジョニー・ウィリアムズ研究員は「2060年代には夏季に小規模空港が週に3〜4日、重量制限を課さざるを得なくなる可能性がある」と述べた。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください